2018年11月15日(木)

日銀の保有国債300兆円突破 比率3割に、強まる依存

2015/8/24付
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日銀の国債保有残高が初めて300兆円を突破した。大規模な金融緩和で長期国債を大量に購入しているためで、長期金利は0.3%台半ばの低水準で底ばいとなっている。市場に流通する国債のうち日銀が保有する比率は3割に達したもようだ。債券市場での取引の厚みが損なわれると、長期金利が乱高下しやすくなるリスクもはらむ。

24日の債券市場で、長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは0.350%と、前営業日から0.010%低下(債券価格は上昇)した。中国経済の減速リスクに端を発した世界的な株安の連鎖がマネーの安全志向を強め、金利を押し下げた。しかし、底流には日銀という買い手の存在がある。

日銀が24日発表した20日時点の国債保有額は301兆9144億円で、このうち8割強を長期国債が占めた。国債保有額を国内総生産(GDP)との対比でみると、2013年4月の量的・質的金融緩和政策の導入時は3割弱だったが、足元で6割に達した。2割前後の欧米中央銀行に比べて突出している。

日銀は長期国債の保有残額が年80兆円のペースで増えるよう、市場から買い入れている。日銀が国債を中心に資産を膨らませて金融緩和を強めたことで、金利が低下し民間金融機関の貸し出しは伸びている。

一方、国債保有者として日銀の存在感は増している。資金循環統計でみた3月末時点の保有比率は26.5%だが、SMBC日興証券の末沢豪謙氏は「足元で3割に達した」と試算する。一方、3月末時点で53.5%だった民間金融機関は1999年以来の5割割れが近づき、市場での取引は細っている。

モルガン・スタンレーMUFG証券の杉崎弘一氏は「日銀が今のペースで国債を買い続ければ、17~18年には流動性低下の弊害が出てくる」とみる。末沢氏も「18年末には日銀の保有比率が5割を超え、保有額もGDPを上回る可能性がある。経済成長と両立した財政再建の重要性が増している」と指摘する。

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