2019年4月21日(日)

人民元の基準値、2日連続で切り下げ 為替4年ぶり安値水準

2015/8/12 12:12 (2015/8/12 13:22更新)
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【北京=大越匡洋】中国人民銀行(中央銀行)は12日、人民元売買の基準となる対ドルの為替レート「基準値」を、前日の基準値より1.6%引き下げた。2%近く下げた前日に続く元安誘導で、市場では人民元が一時約4年ぶりの安値水準を記録。中国景気の減速懸念が強まり、オーストラリアドルが約6年ぶりの水準に下落するなどアジア通貨も売られた。東京市場では、日経平均株価の下落幅が一時350円を超え、長期金利も3カ月ぶりの水準に低下した。

12日の基準値は1ドル=6.3306元。中国は対ドルの人民元相場について、人民銀が毎日公表する基準値から上下2%の変動を認めている。2日連続の人民元の切り下げを受け、市場では人民元が同6.4300元で取引が始まり、約4年ぶりの元安水準となった。

人民銀は12日の声明で、2日連続の基準値の切り下げに関して、前日の市場の終値を「重要な参考にした」として「基準値の変動は正常で、市場化の水準を高めた結果だ」と強調した。元安傾向の長期化を否定する半面「市場の需給の均衡点を探る過程には一定の時間が必要だ」と指摘した。

元安は他のアジア通貨にも波及し、自国製品の輸出競争力を維持するために通貨を切り下げる「通貨安競争」の様相も呈してきた。ベトナム国家銀行(中央銀行)は12日、通貨ドンの取引の米ドルに対する許容変動幅を拡大すると発表。事実上のドン安誘導で、中心レートから上下1%だったものを同2%に広げた。

資源輸出で中国依存度が高いオーストラリアでは、1豪ドル=0.72ドル台と、6年4カ月ぶりの水準まで下がった。インドネシアルピア、韓国ウォン、タイバーツなども軒並み対ドルで売られた。円相場は1ドル=125円台前半で推移。一時、前日の海外市場で付けた安値を下回り、6月8日以来約2カ月ぶりの円安・ドル高水準を付けた。

12日の東京株式市場で日経平均が大幅に続落し、下げ幅は一時300円を上回った。中国の景気減速への警戒感が広がり、運用リスクを減らす動きが優勢になっている。人民元切り下げが発表になった午前10時15分すぎから先物に海外勢からとみられる大口の売りが断続的に出て、日経平均は下げを加速した。

午後1時時点の日経平均は前日比345円56銭(1.67%)安の2万0375円19銭だった。

市場では「中国の景気回復が確認できるまでしばらく軟調な相場展開が続く」(SMBC日興証券の圷正嗣株式ストラテジスト)との声が出ている。中国で事業を展開する銘柄の下げが大きく、コマツは一時4%安、日立建機も同3%下げた。消費低迷を懸念しスマートフォン(スマホ)関連の村田製作所も売られた。訪日外国人(インバウンド)関連ではラオックスの下げが目立つ。

もっとも「日本企業の業績は世界的に見ても堅調なため、売りが一巡すれば買いが再び入りやすい」(アバディーン投信投資顧問の窪田慶太インベストメント・マネジャー)との見方も根強い。買い安心感のある内需株の一角には上昇する銘柄もみられた。

株価下落を受け「安全資産」とされる日本国債が買われ、長期金利も低下した。指標となる新発10年物国債利回りは午後1時前に一時0.360%と、前日比0.030%低下(債券価格は上昇)。5月1日以来約3カ月ぶり低水準となった。

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