7月企業物価、2.9%下落 原油など商品安響く
日銀が12日発表した7月の国内企業物価指数(速報値)は、消費増税の影響を除くベースで前年同月比2.9%下落した。前年を下回るのは9カ月連続で、下落幅は2009年12月(3.7%)以来、5年7カ月ぶりの大きさとなった。中国経済の減速に伴う原油や非鉄金属など商品相場の下落が響いた。
企業物価指数は出荷や卸売り段階で取引される製品の価格水準を示す。
全814品目のうち、312品目が前年比で上昇し、382品目が下落した。下落品目数が上昇数を上回るのは7カ月連続。その差は70品目となり、直近ピークの2月(49品目)を上回った。増税の影響を含めたベースでは7月は3.0%下落した。
原油安の影響でガソリンや軽油など石油・石炭製品は22.8%下がった。非鉄金属は1.1%上昇したが、上昇率は6月の6.3%から鈍った。中国経済の減速に伴う市況の悪化で銅地金やアルミニウム合金の価格が下がったほか、米利上げ観測の強まりやギリシャ債務問題の懸念後退をうけ金地金も物価を押し下げた。
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