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消費喚起へ「商品券」 諮問会議、子育て支援など提言

政府の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)は4日、国内総生産(GDP)の底上げに向けた消費喚起策をまとめる方針を決めた。子育て関連のサービスに使えるクーポン券の配布、額面を上回る買い物ができるプレミアム付き商品券の発行などを新たに盛り込む。政府は2016年度当初予算を前倒しで執行するのと合わせ、足踏みが続く景気のてこ入れをねらう。

4日の会合で榊原定征経団連会長ら民間議員が20年までにGDPを600兆円に増やす計画を提言した。当面の柱が今回の消費喚起策だ。

首相は会合でGDP増加計画について、石原伸晃経済財政・再生相に「骨太の方針に盛り込むために、重点的に取り組むべき施策をしぼりこんでほしい」と指示。消費喚起策についても「骨太」を公表する6月までに具体策をまとめる。

最近の個人消費は円高・株安などによる心理悪化でさえない。うるう年効果を除いた消費支出は2月に6カ月連続で前年同月を下回った。内閣府は3月の月例経済報告で消費を「底堅い動き」から「おおむね横ばい」に引き下げており、消費の弱さを認めている。

今回のメニューには、子育て支援券、プレミアム商品券、旅費に使える旅行券の発行が盛り込まれている。「給付型」の施策を呼び水に財布のひもを緩めるねらいがある。

もう一つの目玉が米国で定着する年末商戦「ブラックフライデー(黒字の金曜日)」の日本版ともいえる大型セール。給付とセールの組み合わせで相乗効果を目指す。

しかし効果は未知数だ。内閣府は「家電エコポイントやエコカー補助金は耐久財の需要を先食いしただけ」と分析。今回は反動減が起きにくいメニューをそろえたというが「小粒」感は否めない。プレミアム商品券などは減税や現金給付と比べても貯蓄に回りにくく、即効性は期待できるが「1度きり」の政策だけに持続性には限界がある。

消費喚起と並行して景気対策も進める。政府は5日の閣議で3月に成立した予算のうち、公共事業など12兆円分を4~9月末に8割執行する方針を確認する。これまでに定めた目標率としては最高水準でふらつく景気の早期テコ入れをめざす。

政府が設定する目標は国や自治体と企業による契約を9月末までに8割に高めることだ。GDPにカウントされる工事の「着工」ではない。建設現場などでは人手不足が深刻になっており、前倒し執行の効果が反映されるまでには時間差が生じてしまう。

政府・与党は5月下旬の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に向けてこうした取り組みを盛り込んだ経済対策の検討に入る。与党には7月の参院選を前に10兆円超の規模の対策を求める声もあり、駆け引きが本格化しそうだ。3月末の首相訪米時には、米国の有識者からも景気刺激策を求める声がでた。

政府内では「GDP1%の底上げに相当する5兆円規模の経済対策は必要」との意見が多い。自民党の二階俊博総務会長は3月下旬に大型公共事業を中心とした緊急経済対策を求める提案書を首相に直接手渡した。

経済対策の規模に影響しそうなのが、17年4月に予定する消費税率の10%への引き上げだ。首相は増税延期も視野に5月までに判断する構え。政府関係者は「消費増税を見送るなら経済対策は数兆円で済むが、予定通り引き上げるなら大規模になるだろう」との見方を示す。「補正予算を臨時国会と来年の通常国会の2段階で編成することも選択肢」(経済官庁幹部)との意見も出ている。

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