景気「好循環」に黄信号 日銀3月短観

2016/4/1 12:40
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 日銀が1日発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)はこれまで日銀が説明してきた景気の「好循環」に黄信号をともす内容だった。新興国景気の減速や円高という逆風が製造業を中心に吹き、これまで好調だった企業収益に陰りが見え始めた。今後、景況感の後退が設備投資や賃上げに波及する恐れもある。

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 企業経営の環境悪化を象徴するのは海外の製商品需給判断指数(DI)だ。「需要超過」と答えた割合から「供給超過」の割合を引いた値で、マイナス11と3カ月前から2ポイント悪化した。水準は2013年3月調査以来、3年ぶりの低さで海外からの引き合いが「異次元の金融緩和」前に逆戻りしたことになる。

 年明けからの急速な円高も輸出企業の採算を圧迫する。大企業製造業の15年度の経常利益見通しは前年度より3.5%の減益と、3カ月前より6.6ポイント下方修正された。見通し通りなら4年ぶりの減益となる。今回初めて集計した16年度の利益見通しも1.9%の減益だった。大企業非製造業も16年度は減益を見込む。

 アベノミクス下の景気回復は、円安を追い風にした企業業績の急回復が起点の役割を果たしてきた。日銀の景気判断も「所得から支出への前向きの循環メカニズムが持続している」(黒田東彦総裁)という認識が前提にある。だが海外景気の変調と円高で、起点が揺らぎつつある。3月期決算企業が経営計画をつくる時期の環境悪化とあって設備投資や賃上げに慎重になったとみられる。

 設備投資計画は15年度については高い伸びを保った。大企業全産業で前年度比9.8%増と前回調査より0.9ポイント下方修正されたが、3月調査としては06年度(11.9%増)以来の高い伸びだ。企業の手元資金は潤沢な上、借入金利も下がっており、大幅な計画修正には至っていない。

 16年度の設備投資計画は0.9%の減少を見込む。過去にも海外景気が減速する局面では設備投資を抑える傾向が強い。設備投資と賃上げの機運が高まらなければ景気全体も足踏みしかねず、消費増税の是非や金融政策の判断にも影響が及ぶ。

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