2019年5月21日(火)

住商、減損損失2700億円 資源投資の縮小検討

2014/9/29付
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住友商事は29日、米国のシェールオイル開発などで投資回収が見込めなくなり、2015年3月期の連結決算減損損失2700億円を計上すると発表した。純利益予想も2500億円から100億円に引き下げる。「シェール革命」の追い風もあってこの数年、資源ビジネスに力を入れてきたが、中村邦晴社長は記者会見で縮小・見直しの可能性を示唆した。

今回は4つの事業で減損損失を計上しており、その中でも最大の案件が1700億円の損失を出した米テキサス州でのシェールオイル開発だ。

これは2年前に13億6500万ドルを投じ、米石油開発大手のデボン・エナジー(オクラホマ州)が保有する権益の一部を取得した。しかし、取得後の試掘で「想定した以上に地下の油層が複雑で採掘コストがかかる」(中村社長)ことが分かった。開発状況や採算面を精査し、「投下資金を回収するほどの生産量が見込めない」と判断したという。

このほか、同じく12年に投資したオーストラリアの石炭開発で300億円、10年に投資したブラジルの鉄鉱石開発で500億円を減損する。石炭や鉄鉱石の価格は、いずれも投資当時と比べて約半分に下落している。採算悪化を受けてオーストラリアの石炭鉱山は15年1月末で操業停止することも決めた。

こうした資源開発は、いずれもこの2~4年内に投資したもので、手掛けてから短期間で損失処理に追い込まれた。当初の事業計画や出資計画の見通しの甘さを指摘する声もあり、住商は29日付で社内に岩沢英輝専務執行役員をトップとする経営改革特別委員会を設置した。「今回の原因を究明して対応をとる」(中村社長)ために、投資案件についてリスクマネジメントや審査プロセスを見直すとしている。

住商はテレビショッピングや食品スーパーといった生活関連事業の収益に占める資源以外の比率が相対的に高かった。三菱商事や三井物産に比べて出遅れてきた資源ビジネスをテコ入れし、創業100周年にあたる19年に資源分野の資産を2割まで引き上げる計画を示していたが、中村社長は「委員会の結果を踏まえ、19年の姿を検討する」と資源分野を縮小する可能性を示唆した。

住商は1990年代に銅の不正取引事件で26億ドル(今の為替で約2600億円)の損失を出したことがある。その後、リスクと収益を厳密にチェックする投資基準を設けるなどの管理態勢をとってきたが、今回は再び資源でつまずいた形だ。

4~9月期決算は減損損失計上で300億円程度の最終赤字となる見通し。年間の黒字は100億円と前期比96%減り、年間配当も50円の予想(前期は47円)から「未定」に変更した。

シェールガス・オイルの開発は00年代に入って北米での生産が本格化した。汎用化学品や液化天然ガス(LNG)のコストが下がる割安な資源として、世界の資源メジャーや日本では商社や電力・ガス会社が相次いで投資に乗り出している。

ただ足元では競争が激しくなっているうえ、地下に眠る資源は実際の埋蔵量や効率的な採掘方法など実際に手掛けてみて初めて分かることも多いという。先行する三井物産や伊藤忠商事などの大手商社や大阪ガスも14年3月期決算でシェール関連の損失を計上した。

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