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海外子会社に死角、WHの買収に統治効かず

東芝

東芝が再び原子力事業で巨額の減損処理を迫られることになったのは、15年の会計不祥事のさなかに米子会社のウエスチングハウス(WH)が買収したCB&Iストーン・アンド・ウェブスター(S&W)が原因だった。買収当時、東芝本体は不正会計問題で経営危機に陥っており、米原子力事業拡大のため、M&A(合併・買収)に走っていたWHへの統治が十分に効かなかったとみられる。

WHと買収したS&Wは、もともと米国で複数の共同事業を手がけていた。ただ納期や規制変更に伴うコストを誰が負担するのかなどの問題が絶えず、納期遅れなどで顧客の電力会社から訴えられるというトラブルも抱えていた。

WHは15年、工事を円滑に進めるため、S&Wを傘下に入れて開発案件を一元管理しようと決めた。東芝側も「リスクを上回るメリットがある」(綱川社長)と黙認したようだ。外部の企業のままであれば避けられた損失を、グループ内に抱えこむ結果となった。

東芝は1年以内に買収した企業のコストや価値を精査するという米国会計基準に沿って案件を精査している。志賀重範会長らが現地で実施している調査は終わっておらず、東芝は「詳細を開示できない」と説明している。

平田政善最高財務責任者(CFO)は27日の記者会見で「(採算が悪化した)工事案件の引当金が増える可能性がある」と述べた。買収時の精査の厳格さについては「第三者に評価してもらった」と説明した。

海外に成長の活路を見いだそうとする日本企業がM&A先で想定外のリスクに直面したり損失計上を迫られたりする事例が増えている。15年春には住設機器大手のLIXILグループが買収した独グローエ傘下の中国子会社で不正会計が発覚。多額の損失が出て16年3月期決算は連結最終赤字となった。「子会社の買収案件まで日本の親会社が厳格に統制するのは難しい」(大手監査法人幹部)というのが実情だ。

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