「教育」は、世の中をよくできるか。 |
永瀬昭幸さんの提示した「世界をリードする『人財』をどう育てるか?」という課題に対し多数のご投稿をいただきました。紙面掲載分を含めて、当コーナーでその一部をご紹介します。
■子どもの好奇心育んで
蜂須賀 大河(逗子開成中学校3年、15歳)
僕はこれからの日本を担う子どもの好奇心をもっと育むべきだと思う。なぜなら、僕も含め、周りの友達の日本の政治や世界への関心が薄いと感じているからだ。好奇心育成のために、今の教育をどう改善すべきか。1つ目は、親や学校が積極的に世界や国内で起こっている出来事を話題として子どもに提供し、物事を考える機会を与える。実際、僕の通う学校では社会の授業で先生が最近起こっているニュースを取り上げ解説する時間がある。2つ目は、英語だ。ただ日本語に訳すだけの小難しい英語を学ぶ、という勉強だけでは、あまり楽しくない。だから、もっとネーティブの人と英語で会話する機会を増やしてほしい。そうすれば自分の英語が通じた喜びを味わうことができ、楽しく勉強することができる。
■海外の中高生と同世代交流
村田 洋佑(東京大学経済学部4年、22歳)
今の日本は多様性に触れる機会が不足している。多数派への迎合が善とされ、日本のリーダー層のバックグラウンドは画一的だ。例えば現代のエリートは似通った家庭や出身校だろう。同じ背景を持つ者の間では得てして、偏見を多分に含んだ「正解」が構築されてしまう。正解のある問題で満点を目指すのは授業内にとどまらない。エリートによる固定観念は思考停止につながる。海外の中学・高校生世代を日本に呼び、多様性に富む教育環境を学校で築けないだろうか。変化に適応できる中高生に、自分と異なる背景を持つ同世代との時間はかけがえがない。東南アジアの途上国には、高い志を持ちながら貧困に苦しむ未来のリーダー候補がいるかもしれない。奨学金や学校間の連携でこうした学生を招く教育環境が提供されるなら世界をリードする人財の芽が育つきっかけとなるはずだ。
■幼い時からグループワーク
鵜飼 歩美(早稲田大学文化構想学部社会構築論系2年、19歳)
人財の育成には幼いころからリーダーとなる素質を身につけさせることが大切だ。そのためには、グループワークの授業を増やすことが重要だろう。グループワークでは話を回す人、記録を取る人、案を積極的に出す人など役割分担が必要になる。話を回す人になれば、自然とリーダーシップが身につく。また他人の意見をくみとれるようにもなるし、様々な考えに触れながら、物事を柔軟に考えるようになる。グループワークのたびに話を回す人を毎回変えれば、皆が「リーダー体験」でき、社会のリーダーとなりうる。こうして育てば成長につれて自ら求める姿勢を身につけ、学力も向上するのではないか。社会に出れば必ず皆をリードする存在になるだろう。
【以上が紙面掲載のアイデア】