2017年12月12日(火)

未来面「革新力 」

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「保険」は、世の中をよくできるか。

 未来面は、日本経済新聞社が読者や企業の皆さんと一緒に日本の課題について考え、議論する紙面です。今期のテーマは「革新力」。新聞紙面と電子版を通じて経営者と読者が双方向で対話し、アイデアの実現可能性を探ります。金融は、企業のモノ作りは、サービスは、世の中をよくできるのか。革新的なアイデアをお寄せください。アイデアの投稿はこちらまで。

「最先端の技術を発展させるには?」
柄沢康喜・三井住友海上火災保険社長 経営者編第3回(2月1日)

2016/2/1 3:30
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 『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』の映画をご存じですか。1作目は1985年に公開され、30年前にタイムスリップする話でしたが、2作目は30年後の未来、すなわち2015年の世界を描きました。まさに今です。ドローン(小型無人機)やバイオ燃料、テレビ会議といった技術が紹介されていましたが、そのほとんどが実現されたといえます。

 では30年後の2045年といえば、人工知能(AI)が人間の能力を追い抜く「シンギュラリティー(技術的特異点)」を迎えるといわれます。人間の事務作業はAIに置き換えられ、我々の保険業務の一部も代替されていくことが予想されます。

 例えばコールセンターでお客様からの相談に人工知能を使って的確に答えていく。そこで得られた情報をビッグデータ分析することで新たなニーズに応えていくことも可能になります。保険業務で重要なことは、新技術が登場してきた際に生じる未知のリスクをどう評価するかです。その場合にも人工知能は非常に有益です。

■保険は技術革新を支えるインフラ

 その意味で保険は技術革新やイノベーションを支えるインフラといえます。新技術を広めるには研究開発、実証実験、実用化などの各段階でリスクが伴います。自動車や飛行機の普及にも保険はリスクカバーの点で貢献してきました。今後はドローンや介護ロボット、再生医療といった分野にも必要になります。自動運転では実験段階のリスクをカバーする保険を昨年末から始めました。少子高齢化で人口が減り、自動車保険のニーズがこれまでのようには伸びない今こそ、こうした技術にチャレンジすることが重要です。

 ネット社会ではリスクに対する考え方も変える必要があります。サイバー攻撃を100%防ぐことは難しくなっています。だとすれば攻撃を受けた際の被害をいかに小さくできるかといった善後策を普段から考えておくべきです。日本で技術革新を促すには規制緩和も重要です。消費者保護や産業保護の観点は大事ですが、規制緩和と透明性の確保がなければイノベーションは起きません。既成概念にとらわれない人材の育成も重要です。

 そこで皆さんにおうかがいしたいのは、最先端の技術を発展させ、日本でイノベーションを起こしていくには何が必要でしょうか。たくさんのご意見をお待ちしています。

柄沢康喜・三井住友海上火災保険社長の課題に対するアイデアを募集します。投稿はこちらから

 ■編集委員から インターネットの新しい利用法として最近広がっているのが「インターネット・オブ・シングス(IoT)」すなわち「モノのインターネット」と呼ばれる動きです。機械や装置に付けられたセンサーがネットワークにつながることで、遠隔操作が可能になり、様々な情報をビッグデータとして活用できるようになりました。クルマの自動運転やドローン(小型無人機)、ウエアラブル端末などの技術はその象徴といえます。

 米シリコンバレーではグーグルやテスラ・モーターズの自動運転実験車がナンバープレートをつけずに公道を走る姿を見受けます。破壊的な技術を生み出すにはそうした規制緩和やリスクを最小限に抑える仕組みづくりが必要です。エアバッグなどの安全装置や自動車保険が登場したように、新しい技術を人々が安心して使えるようにする環境整備が問われています。(編集委員 関口和一)

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