2019年2月16日(土)

東芝、組織的に利益操作 歴代3社長辞任へ
不適切会計

2015/7/20 23:12 (2015/7/21 1:50更新)
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東芝は20日、不適切会計を調べてきた第三者委員会(委員長=上田広一・元東京高検検事長)がまとめた調査報告書を受理し、要約版を公表した。歴代3社長が現場に圧力をかけるなどして、「経営判断として」不適切な会計処理が行われたと断定。「経営トップらを含めた組織的な関与があった」と責任を厳しく指摘した。利益操作は2008年度から14年度の4~12月期まで計1562億円にのぼる。21日に田中久雄社長らが記者会見し、辞任を表明する見通しだ。

公表された東芝の第三者委員会の調査報告書

公表された東芝の第三者委員会の調査報告書

東芝は21日午後に報告書の完全版を公表し、夕方に田中社長らが会見して、今後の再発防止策などを説明する。田中社長と前社長の佐々木則夫副会長の辞任を発表する予定。前々社長の西田厚聡相談役も辞任する方向だ。

報告書によると、08年度からの決算修正額(税引き前利益ベース)は、第三者委が認定した1518億円に加えて、東芝の自主チェック分が44億円。長期プロジェクトの採算を管理する工事進行基準と呼ぶ会計処理で損失計上を先送りするなどしていた。

この間の東芝の税引き前利益は5650億円で、不適切会計の金額は3割近くに相当する。

報告書では、経営トップらが「見かけ上の当期利益のかさ上げ」を狙い、担当者らがその目的に沿う形で不適切会計を継続的に行ってきたと判断。原因を様々な角度から分析した。

例えばパソコン事業では、経営トップが社内カンパニーに対して「チャレンジ」と呼ぶ過大な収益目標と損益改善要求を課していた。それを達成するために実質的に翌期以降の利益を先取りするなど、不適切な会計処理をせざるを得ない状況に追い込んだという。

現場についても「上司の意向に逆らえない企業風土があった」と指摘。さらに監査法人などに対して正しく説明せず、不適切会計は外部から発見されにくい巧妙な手法でなされていた。

こうした状況を把握し、是正すべき内部統制が十分に機能していなかった点も原因に挙げた。経営監査部、リスクマネジメント部の内部統制に問題があったうえ、取締役会や監査委員会による監督機能が働かなかった。

再発防止には「チャレンジ」の廃止などが必要と指摘し、トップと現場の意識改革を強く迫った。そのうえで、少なくとも幹部職員(例えば部長職以上)については、関与の程度などを十分に検証して懲戒手続きを含む人事上の措置を適切に講じることが望ましいと踏み込んだ。

報告書を受けて東芝は過去の決算を訂正するとともに、14年度決算を確定する。1562億円とは別に、事業の収益性の低下を反映させ、12年度決算を中心に半導体やパソコン事業などで計700億円規模の減損損失を計上する可能性がある。

証券取引等監視委員会や金融庁は、不適切会計が金融商品取引法の違反(有価証券報告書の虚偽記載)にあたると判断し、課徴金処分を検討する。東京証券取引所は内部管理に問題ある企業として投資家に注意喚起を促す「特設注意市場銘柄」に指定する見通しだ。

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