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投信に「見える化」の波 ネット証券、手数料と成績を一目で

金融機関の間で投資信託の販売を透明化しようという動きが広がっている。カブドットコム証券は2月下旬から、投信の残高に応じた管理手数料(信託報酬)が運用成績をどれだけ押し下げているかを自社のサイトで開示する。SBI証券も同様の開示を検討中で、昨年10月の保険手数料の開示を皮切りに、金融商品の「見える化」の波が投信にも押し寄せてきた。

金融庁は金融機関に対して顧客の利益を最優先した業務運営を行う受託者責任「フィデューシャリー・デューティー」の徹底を求めている。金融機関の手数料を重視した姿勢などが顧客を投資や資産形成から遠ざけているのでは、との問題意識があるためだ。

例えば投信を提案する金融機関は手数料の高い商品ばかり薦めずに顧客ニーズに合わせて適切な商品を提供をすることが求められる。こうした流れの中で金融機関は新商品のアピールに重点を置く営業手法を改め、低コストかつ運用実績のある投信を販売しようと変わりつつある。

投信の損益をみるには分配金と投信価格の変動から算出される通算損益(トータルリターン)という指標が使われることが多い。ただ、同指標は金融機関が受け取る管理手数料をあらかじめ差し引いて表記される。投資家にとっては手数料が運用成績に与える影響が把握しづらいとの指摘があった。

カブコムは販売している約1000本の投信について、手数料によってどれだけ運用成績が変化するかをグラフで示し運用コストが一目で分かるようにする。投資家が資産形成に適した商品を選ぶには「購入前に正確なコストを把握することが欠かせない」(斎藤正勝社長)との考えからだ。

SBI証券も通算損益の情報開示を充実させる方向で検討を進めている。ネット証券大手では、楽天証券も昨年から日次ベースで通算損益を確認できるようにするなど投資家向けの情報提供拡充を図る動きが相次いでいる。

投信の販売には独自の決まり事や用語も多く、投資初心者にとって理解しづらいとの指摘もある。こうした状況に対応し、損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントは1月から「見やすいデザイン」認証を取得した目論見書の発行を始めた。

同認証は文字や色使い、情報量について資料が見やすくできているかを専門の第三者機関が評価する。三井住友アセットマネジメントなど複数の大手運用会社で採用が広がりつつある。

金融商品を販売する金融機関に直接働きかける動きも出てきた。

アセットマネジメントOneは昨年10月に販売会社向けの研修サービス「ゼミナールOne」を立ち上げた。投信の仕組みのほか、長期の資産形成に適した運用手法などを学べる96の講座からなり、専門講師が授業形式で指導する。「販売担当者が適切な商品を自信を持って顧客に提案できる環境をつくる」(同社)狙いだ。すでに約30の金融機関が社員研修に導入したという。

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