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トヨタ、営業最高益2.7兆円 15年3月期

円安や構造改革寄与

トヨタ自動車の快走が続いている。4日に2015年3月期の連結営業利益米国会計基準)見通しを前期比18%増の2兆7千億円に上方修正した。最高益を見込んでいた従来予想をさらに2千億円上回る。円安を追い風に輸出採算が上向き、北米では原油安で利幅の厚い大型車が伸びる。構造改革もてこに稼ぐ力は世界でも高い。

同時に発表した4~12月期の売上高は前年同期比5%増の20兆1156億円、純利益は13%増の1兆7268億円だった。

足元の好調を受け、通期の売上高を5%増の27兆円、純利益は17%増の2兆1300億円に上方修正した。この日、会見した佐々木卓夫常務役員は「台数増などに頼らない収益構造の改革が実を結んだ」と語った。

トヨタは国内生産の半分強を輸出に回すため、円安の恩恵は大きい。今回、通期の想定為替レートを1ドル=104円から109円に見直す結果、営業利益を1750億円押し上げる。

原油安も追い風だ。米国ではガソリン価格の下落で大型車に人気が集まっている。トヨタではピックアップトラック「タコマ」や多目的スポーツ車(SUV)の「ハイランダー」が伸び、全体の利益をけん引する。

国内工場の改革も実を結んだ。金融危機後、営業赤字になったのを機にスリム化に着手。製造ラインなど生産体制の見直しでコスト削減を徹底した。国内工場が利益を出すのに必要な稼働率はかつて8割だったが、足元は7割稼働でも黒字が出せるようになり、1台あたりの利益も上向いた。

こうした取り組みの結果、金融危機前の最高益を記録した08年3月期と比べても稼ぐ力は上回る。本業の収益力を表す売上高税引き前利益率は当時が9.3%。今期は当時よりなお5円の円高だが、それでも利益率は約11%と7年前を上回る。販売台数で拮抗するライバルの独フォルクスワーゲン(VW)の7%と比べても高い。

今後の課題は成長のための投資と高い収益力をどう両立させるかだ。世界ベースで車作りを革新する「TNGA」の投資が本格化するほか、13年春から凍結している工場新設を今後、再開する可能性がある。

国内企業の代表格として賃上げや取引先企業への配慮も求められる。トヨタは15年度上期(4~9月)、取引先に対する部品の値下げ要求を見送る方針だ。金融危機後、一貫して削ってきたコストは再び膨らむ方向だ。

株式市場でも利益の伸び鈍化を懸念する声が出ており、利益額や利益率は金融危機前を上回ったが、株価は4日終値が7728円と、07年に付けた上場来高値(8350円)を下回っている。

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