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複数の社外取締役、産業界に慎重論 国際企業限定案が浮上

金融庁と東京証券取引所が来年6月までにまとめる企業統治指針づくりで、複数の社外取締役導入を巡り賛否が分かれている。31日に開いた有識者会議では市場参加者らが導入に賛成した一方、産業界出身のメンバーは「形式基準には弊害がある」と反対意見を述べた。国際展開する企業には厳格導入を求める案も浮上した。

「1人では孤立する。複数は当たり前だ」。会議の冒頭、経営共創基盤の冨山和彦最高経営責任者(CEO)はこう口火を切った。海外では米英が取締役のうち半分以上を社外にするよう求めている。アジアではシンガポールが3分の1以上だ。いちごアセットマネジメントのスコット・キャロン社長は「まずは2人以上にして着実にガバナンス改革を進めるべきだ」と続いた。

来春施行予定の改正会社法は社外取締役を置かない企業に理由を説明するよう義務付けた。政府は成長戦略の柱としてコーポレートガバナンス(企業統治)改革を据える。社外取締役の活用で株主の声を経営に反映しやすくし、手元資金を過剰に抱える企業に成長投資や株主還元など促す狙いだ。

一律の基準導入には慎重論も根強い。東証の調べでは東証1部上場企業で社外取締役を置くのは全体の74%で、2人以上になると34%にとどまる。東レの内田章常務は「社外取締役と総資産利益率(ROA)に相関はない」と指摘し、「形だけ整えても意味がない」と述べた。実際、社外取締役が過半を占めるソニーは業績不振が長びく。

東京海上アセットマネジメントの大場昭義社長は社外取締役の導入に賛成しながらも、「最低限の基準とグローバル企業向けを2つ用意してはどうか」と提案した。

社外取締役は今でも候補者が乏しい。複数化が盛り込まれた場合、「質の低下が進む」との指摘もある。賛成派と反対派の意見の違いは大きく、複数化の扱いはなお流動的だ。

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