日銀、金融政策を現状維持 物価目標先送り

2016/4/28 13:26
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日銀は28日開いた金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を決めた。2月に導入したマイナス金利の政策効果を見極める。政策目標とする2%の物価上昇の達成時期は、従来の「2017年度前半ごろ」から「17年度中」に再び先送りした。市場では追加緩和への期待が強かっただけに、日経平均株価は一時、前日終値比で500円超急落した。

黒田東彦総裁は28日午後に記者会見し、決定理由などを説明する。マイナス金利政策の現状維持は7対2の賛成多数で決めた。マイナス金利が投資や貸し出しに影響を及ぼすまで半年程度かかるとの見方があり、政策効果を引き続き注視する。

日銀は年4回の会合で「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を更新し、政策を決める9人の委員の景気見通しを示す。生鮮食品を除く消費者物価指数(CPI)の上昇率については、16年度は前回1月の0.8%から0.5%、17年度も1.8%から1.7%に下方修正した。実質経済成長率は、16年度が1.5%から1.2%、17年度が0.3%から0.1%に下がった。

背景には原油安や新興国経済が引き続き減速していることがある。

日銀は17年度の終盤に向け原油価格が1バレル40ドル後半に上がるシナリオを描いていたが、先行きには不透明感もある。直近3月のCPIは前年同月比0.3%下落。4月に公表した企業短期経済観測調査(短観)などの各種統計でも企業や家計の物価上昇期待が弱まっており、2%物価目標を先送りした。日銀は前回1月の展望リポートでも達成時期を「16年度後半」から「17年度前半」に修正している。

景気の現状判断は前月の「基調としては緩やかな回復を続けている」を据え置いた。消費は天候の影響で衣料品などが伸び悩んでおり、「一部に弱めの動きもみられる」との表現を加えた。3月の消費支出(2人以上の世帯)は物価変動の影響を除くと前年同月比5.3%減少した。輸出や生産の足取りも依然として重い。金融環境はマイナス金利政策によって「きわめて緩和した状態にある」と評している。

ただ先行きの日本経済は「基調として緩やかに拡大していく」との見方を堅持した。人手不足から賃金が上昇し、消費も回復するとの前向きなシナリオを変えていない。それに伴い物価上昇の勢いも次第に戻ると考えており、物価の基調は着実に高まるとみている。結果として今回、金融市場の一部が織り込んでいた追加緩和の見送りを決めた。

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