2019年1月21日(月)

三井住友銀、富裕層に照準 シティ銀の個人部門買収
グループで囲い込み

2014/12/26付
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三井住友銀行は25日、米シティグループの日本法人、シティバンク銀行の個人部門を買収すると発表した。三井住友銀は子会社の信託銀行でシティの事業を引き継ぎ、豊富な金融資産を持つ顧客との取引拡大をねらう。低金利下で利ざやの縮小が続くなか、ほかの大手銀行も手数料収入を期待できる富裕層向けビジネスを強化しており、争奪戦が激化しそうだ。

「富裕層向けのビジネスモデルを拡大する」。三井住友銀は買収後の方向性をこう示す。シティ銀からは約74万人の顧客と2兆4400億円の預金を引き継ぐが、このうち10万人強が残高1000万円以上の顧客だ。これは三井住友銀の同クラスの顧客数の1割に相当し、富裕層の顧客基盤が広がることになる。

シティ銀から事業を引き継ぐのは三井住友銀の子会社のSMBC信託銀行だ。昨年に仏金融大手のソシエテ・ジェネラルから買収した同行では、超富裕層の資産運用などプライベートバンキングを手がけてきたが、今後は業容を拡大する。

シティが世界で約190万台展開するATMでの現金引き出しや11通貨の外貨預金など従来サービスはすべて継続する。加えて、三井住友銀が狙うのは「(グループの)銀行と証券、信託銀行の連携による多様なサービスの提供」(車谷暢昭・取締役専務執行役員)だ。たとえばSMBC日興証券の運用商品をSMBC信託の顧客に紹介することなどを想定する。

三井住友銀はほかのメガバンクに比べ、グループの信託銀行の機能が弱かった。シティ銀から店舗や従業員もすべて引き継ぐ今回の買収で、信託銀の事業基盤を拡大し、グループで顧客を囲い込む体制が整う。

ただ、シティ銀の個人部門はもともと赤字体質だったために売却対象になった経緯がある。三井住友銀は「預金以外の様々な商品を提供して収益を上げ、早期に黒字化したい」(車谷氏)と自信をみせるが「既存の顧客が思惑通りに残るかは未知数」(大手証券アナリスト)との声もある。

富裕層向け取引は各社が注力している分野だ。三菱UFJフィナンシャル・グループは米モルガン・スタンレーとの提携もテコに、資産管理サービスを強化する。みずほフィナンシャルグループもグループの銀行と信託銀行、証券会社が顧客紹介で連携する。

大手証券も野村ホールディングスが相続サービスを拡充し、大和証券は資金運用を顧客から受託する「ラップ口座」の資産残高が1兆円の大台を超えた。

米シティは日本でクレジットカード「ダイナースクラブカード」を展開するシティカードジャパンも売却する方針だ。三井住友信託銀行と交渉しており、年明けにも本格的な調整に入る見通しだ。新生銀行も三越伊勢丹ホールディングス、JCBと3社連合を組み買収に意欲を示している。

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