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東証、株取引時間拡大見送り 競争力低下に懸念も

東京証券取引所は25日、検討していた現物株の取引時間の拡大を見送ると発表した。夜間取引を中心に可能性を探ってきたものの大半の証券会社から同意を得られなかった。東証はこのまま取引時間を拡大しても多様な参加者が見込めないとの認識を示すが、東京市場の国際競争力の低下を懸念する声もある。

「できる限りの努力をしたが、機が熟していないと判断せざるを得なかった」。東証を傘下に持つ日本取引所グループの斉藤惇グループ最高経営責任者(CEO)は、25日の定例会見で悔しさをにじませた。

東証が取引時間の拡大を試みるのは2000年、10年に続き3度目になる。年明けから検討を本格化した今回は夜間市場(午後9~11時)か夕方市場(午後3時半~5時)の開設と、通常の取引時間を1~2時間延ばす3案が軸だった。

東証はまず夜間取引を検討したところ、個人投資家の売買の大半を占めるインターネット証券から前向きな感触を得た。その一方で店頭で注文を受ける対面型証券からは「深夜業務などの負担を懸念し、かなり強い反対があった」(東証の清田瞭社長)。大手証券も全般に消極的で、国内外の機関投資家も積極参加する姿勢に乏しかった。

一方で金融庁は「公正な価格形成が担保されるかが重要」として関係者の幅広い合意を得ることを求めた。東証は周囲の反対が根強いまま強行しても十分な成果が見込めないと判断し、決断の先送りを決めた。

東証が取引時間の拡大を模索してきたのは、海外の主要市場に比べ取引時間が短いからだ。東京市場の現物株の取引時間は午前9~11時半、午後0時半~3時の計5時間になる。ニューヨーク市場は6時間半、シンガポール市場は8時間だ。

東証の現物株市場は1980年代後半のバブル経済時に時価総額で世界首位だった。現在は3位まで後退し、アジアでは中国市場が台頭している。取引時間の拡大を目指すのは「東京の国際競争力が低下しかねない」(東証幹部)との危機感が背景にある。

東証は今後も時間延長を模索する考えだが、時期は明示していない。清田社長は会見で「グローバルな市場競争でいずれ(利用者の)ニーズが出てくるはずだ」と述べ、時機を見て議論を再開したいとの意向を示した。

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