2019年4月21日(日)

「イデコ」手数料 SBIと楽天、仁義なき戦い
若年層囲い込み

2017/6/13 20:31
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ネット証券大手、SBI証券と楽天証券の間で、"仁義なき手数料競争"が再燃している。2000年代の株式売買手数料の引き下げから幾度となく競ってきた両社が今回、つばぜり合いを繰り広げているのは、個人型確定拠出年金(DC)「iDeCo(イデコ)」を巡る手数料やサービスだ。資産形成層であり、今後長期にわたる優良顧客となり得る若年層を囲い込む。

5月18日朝、SBI証券がイデコの運営管理手数料を6月から完全無料にすると伝わった。これまで残高などに応じて無料にするケースはあったが、無条件での無料化は業界で初めてだった。

即座に動いたのが楽天証券だ。その日、楠雄治社長はマレーシア初のネット証券設立のため日本を離れていたが、すぐに現地から指示。もともと完全無料化を視野に入れていたこともあり、午後1時には同じく手数料の無料化を発表した。するとSBI証券はこれを受け、開始時期を「6月」から「5月19日」に変えて発表し、ライバル意識をむき出しにした。

争いはイデコの手数料だけでない。楽天証券が投資信託の最低購入金額を100円と、業界最低水準に引き下げると、追うようにSBI証券や松井証券も100円にした。05年の株式売買手数料の引き下げ競争から始まり、「SBI証券とは13年来のライバル関係だ」と楽天証券の楠社長も意識する。

これほど競争が過熱するのは、「業界最低水準」が顧客獲得に直結するからだ。SBI証券によれば、イデコ手数料を完全に無料にした後の1週間の申込件数は、無料化前の1週間に比べて6割も増えたという。若年層は特にコスト意識が高い。サービスを開始する際には強く印象づける意味もあって採算度外視の大胆な策で臨むという。SBI証券の小川裕之執行役員は「貯蓄層を投資家層に変えたときの生涯利益を考えれば、やらないわけにはいかない」と話す。

ネット証券は投資に興味を持つ投資初心者や若年層にとって対面証券より身近で、投資の入り口となっているケースが多い。貯蓄層を投資家層へと呼び込む大きな役割を担う。その際、顧客の心理的な障壁の一つとなっているのが手数料だ。手数料無料化は「貯蓄から投資へ」の資産形成を強く後押ししそうだ。

(野村優子)

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