2019年2月19日(火)

地銀再編、人口減が迫る 肥後・鹿児島銀が統合

2014/11/8付
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横浜銀行と東日本銀行(東京都)に続いて、九州の肥後銀行(熊本県)と鹿児島銀行が7日、経営統合することが明らかになった。県トップ地銀同士による県境を越えた再編は初。両行を合従連衡に動かした人口減少とそれに伴う将来の預金減少といった課題は全国共通であり、地銀再編は新たな段階に入る。

両行は今後、来年秋の持ち株会社設置に向け、交渉を加速する。連結総資産は8兆4千億円に迫り、同じ九州の西日本シティ銀行(約8兆円)を抜き、全国の地銀で9位に浮上する。

肥後銀と鹿児島銀は県内トップの名門地銀だ。規模では肥後銀が若干勝るものの、「格は同じ」(九州の地銀関係者)。一国一城のあるじという意識が強い名門地銀は、自行が主導権を握れない限り再編はしないというのが定評だったが、今回それが覆った。

これまでの地銀再編は救済型が主流だった。熊本ファミリー銀行(現熊本銀行)と親和銀行(長崎県)の2行を福岡銀行が救済して発足したふくおかフィナンシャルグループなどが象徴的だ。

最近、地銀再編が相次いでいるのは、全国各地で将来の人口減少に対する危機感が強まっているから。人口減に伴い、相続によって預金が地方から都市部へと移転する動きも本格化する。

野村資本市場研究所は、2020年までに相続によって預貯金などの個人金融資産が地域によってどれだけ増減するかを推計した。これによると東北や四国、九州などの15県で10年に比べ10%以上、預金が減る。今回再編に踏み切った両行の地盤である鹿児島県では15%超、熊本県では10%超という預金減が見込まれている。

人口や預金が減る中で、金融庁も地銀の事業モデルの持続可能性に危機感を強めている。7月に公表した金融検査の年次報告書では、中小企業向け融資の2割強が収支赤字だと指摘。2025年には全都道府県で融資残高が減るとの分析などをもとに、5~10年先を見据えた業界再編を促している。

今年10月には東京都民と八千代の2行が経営統合するなど、平時に将来を見据えて再編を決断する動きは広がりを見せていた。ここへきて横浜銀や肥後銀、鹿児島銀といった名門地銀にも再編の波が及んだことで、今後全国的に地銀再編が広がりそうだ。

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