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金銭払い解雇の導入争点 厚労相が論点提示

厚生労働省の有識者検討会は30日、裁判で不当とされた解雇を職場復帰でなくお金で救済する「金銭解決制度」の導入に向けた本格的な議論を始めた。企業側からも制度の利用を申し込めるかどうかや、解決金の額などが主な争点となる。厚労省は議論を十分に重ねた上で結論をまとめる考えだが、解雇を助長するとして連合など労働者側は激しく反発している。

30日の検討会では、厚労省が新制度について複数の検討事項を示した。その一つが労働者が求めた場合だけでなく、企業側がお金による解決を望んだときもこの仕組みを使えるようにするのかどうかだ。

もともと今回議論されている制度は、中小・零細企業などでほとんどお金を得られずに、泣き寝入り同然に解雇される労働者を救済する目的が大きい。2013年には裁判で不当とされた解雇が約200件あった。

制度の導入を掲げた日本再興戦略では、仕組みを新たに作ることで、解雇を巡る紛争処理の「時間的・金銭的な予見可能性を高める」ともしている。十分な解決金を迅速に得られれば、より自分の適性に合った次の仕事も探しやすくなり、結果として労働市場の流動化促進にもつながる。

労働者側が懸念しているのは、新しい制度を企業が使えるようになれば、金銭による安易な解雇が助長されるのではないかという点だ。労働者側の委員からは「今回は利用を労働者だけに限ったとしても、次の見直しで労使双方に認められることは明らかだ」といった意見が出た。

解決金の金銭水準に基準を設けるかどうかも焦点になる。勤続年数や解雇される前の年収などが考慮の要素となりそうだ。また、金銭水準に上限や下限を設けるかどうかも議論になる。上限を設けることに労働者側は反対の立場だが、下限の設定には解決金が膨らむとして中小・零細企業の反対が強い。

ただ大企業からすれば、新制度の導入を通じて解決金の相場が形成されれば、解雇をする際のコストの見通しが立ちやすくなる側面もある。ただ、金銭水準の議論は制度設計の根本に関わる点だ。新しい仕組み自体を不要とする労働者側の反発は必至で、議論は次回以降に持ち越しとなった。

既存の紛争解決の仕組みとの関係も焦点だ。

解決の手段には、(1)都道府県の労働局などによるあっせん(2)裁判所での労働審判(3)裁判――の3つがある。30日の検討会では、委員から「救済のメニューを増やすならば労働審判制度の充実で可能」などとして新制度は不要との意見も出た。

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