職業教育で人材力磨く 新成長戦略、政府が検討方針

2015/1/30付
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政府の産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)は29日、今夏にまとめる新しい成長戦略の検討方針を決めた。若者が現場で役立つ知識や技術を学べる新しい教育制度や、中高年の能力開発につながる出向制度の創設が柱だ。治療目的の訪日外国人の増加も目指す。労働者の生産性向上と外需の取り込みを進め、労働力の減少と国内市場の縮小を補う狙いがある。

安倍晋三政権は2013年夏に初めて成長戦略をまとめ、14年夏に改定した。今回の検討方針は2度目の改定に盛り込む施策のたたき台になる。安倍首相は同日の会議で「日本の稼ぐ力、人材力をさらに強化し、国内の市場環境を改革する」と発言した。

首相が強調した人材育成では、就職前の若者と働く意欲の高い中高年社員の能力開発を目指す。若者向けには、実践的な能力を身につける「高等教育機関制度」の創設を掲げた。現在の専門学校などを同機関に転換し、経営者による授業や企業へのインターンシップなど産業界を巻き込んだ教育を行う。卒業生を大学卒業と同じ扱いにすることも検討する。中高年向けには、新しい能力を身につけるための出向制度の創設を検討する。出向社員の給与を出向元企業が負担すれば、一定の助成をする。生産性向上とともに、能力が生きる企業への転職を促す。

外需の取り込みも強化する。1つは海外から患者を呼び込む「医療ツーリズム」で、訪日や帰国の手続き、医療機関の紹介など治療を受ける一連のサービスを提供する旅行会社などを「医療渡航支援企業(仮称)」に認定する。不正を防ぐ体制が整っている企業を政府がお墨付きを与え、外国人が安心して訪日できるようにする。

昨年の成長戦略には、時間でなく成果で賃金を決める新しい労働時間制度や農協改革など、構造改革に踏み込んだ施策を並べた。だが今回は「目玉になるものが少ない」(競争力会議関係者)のが実情。昨年も議論した解雇規制見直しは方針から外れ、農業も従来の方針を再び提示するだけにとどまっている。

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