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雇用安定、消費心理改善 求人倍率8月1.52倍

雇用環境の改善が消費を下支えしている。8月の有効求人倍率は1.52倍と1974年2月以来の高さで、完全失業率も3%を割り込んだ。賃金水準が高い正社員の採用が増えたことで、消費者の心理が改善。長雨の影響が懸念されたが、消費支出は物価変動の影響を除いた実質で2カ月ぶりに増えた。ただ消費の回復は緩やかで、物価の上昇ペースは力強さを欠いている。

厚生労働省が29日発表した8月の有効求人倍率(季節調整値)は前月と同じ1.52倍だった。有効求人倍率は全国のハローワークで仕事を探す人1人あたりに何件の求人があるかを示す。企業は人材確保のため正社員の採用に力を入れており、正社員の有効求人倍率も1.01倍となり求人が求職を上回った。

新たに出された求人を示す新規求人数は前年同月を6.3%上回った。産業別にみると、集団授業から個別指導へのシフトがすすむ教育・学習支援業が18.3%増えたほか、運輸・郵便業も12.3%増加した。

ただ企業の人手不足感は強まるばかりだ。企業の求人に対して実際に職に就いた人の割合を示す充足率は14.7%となり、比較可能な2002年以降で最低だった。インターネットなどを通じて企業に直接求職する場合を含まないが、7人雇おうとして採用できるのが1人という計算だ。

総務省が同日発表した8月の完全失業率は、前月と同じ2.8%だった。求人があっても職種や勤務地など条件で折り合わずに起きる「ミスマッチ失業率」は3%程度とされる。3%割れは働く意思のある人なら誰でも働ける「完全雇用」状態にあるといえる。

8月の失業者は189万人と前年同月と比べて23万人減った。一方、自営業を含めた就業者は84万人多い6573万人となった。

こうした雇用改善が消費を下支えしている。8月の家計調査によると、2人以上世帯の1世帯当たり消費支出は28万320円だった。物価変動の影響を除いた実質で前年を上回るのは2カ月ぶり。消費の基調判断は「持ち直してきている」として据え置いた。

自動車の購入費用やガソリン代が膨らみ、交通・通信が7.1%増えた。住居は2.7%のプラスで、リフォーム費用が押し上げた。「昨年8月は台風が多く、リフォームの施工が滞った反動が出た」(総務省)。食料は0.6%増と、13カ月ぶりにプラスに転じた。

8月の全国消費者物価指数(CPI、15年=100)は、値動きの激しい生鮮食品を除く総合指数が100.3となり、前年同月を0.7%上回った。14年4月の消費増税の影響を除くと、14年10月以来2年10カ月ぶりの水準となった。

ガソリンや灯油などエネルギーが7%上昇した。生鮮食品とエネルギーを除く総合指数は100.8で、前年同月比0.2%上昇した。厚労省が70歳以上の高額療養費の負担上限額を8月診療分から引き上げた影響で、診療代が3.5%上昇した。

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