北朝鮮、ICBM発射 飛行時間・高度は最高に

2017/7/29 12:07
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日本政府は29日未明、北朝鮮が28日午後11時42分ごろ弾道ミサイルを発射し、日本海の日本の排他的経済水域(EEZ)に落下したとみられると発表した。ミサイルの飛行時間、高度はともに過去最高。日米両政府は大陸間弾道ミサイル(ICBM)だとの見解を示した。北朝鮮の朝鮮中央通信は29日午前、ICBM「火星14」の2回目の試験発射に成功したと伝えた。

防衛省によるとミサイルの発射場所は北朝鮮の慈江道舞坪里付近。約45分間飛行し、北海道・積丹半島の西約200キロメートル、奥尻島の北西約150キロメートルの海上に落下したとみられる。高度は3500キロメートル超、飛距離は約1000キロメートルと発表した。

安倍晋三首相は29日未明、首相官邸で記者団に「日本の安全への脅威が重大かつ現実のものとなったことを明確に示すものだ。北朝鮮に対し厳重に抗議し、もっとも強い言葉で非難する」と強調。「米国、韓国をはじめ、中国、ロシアなど国際社会と緊密に連携し、さらに圧力を強化していく」と語った。

岸田文雄外相兼防衛相は同日未明の記者会見で「ミサイルの最大射程は少なくとも5500キロメートルを超えるとみられ、ICBM級と考えられる」と指摘した。発射角度を通常より高くする「ロフテッド軌道」で発射されたとの見方も示した。

米国内では米国を射程範囲内におさめる弾道ミサイルの完成が近いとして波紋が広がっている。トランプ大統領はホワイトハウスを通じて「実験は北朝鮮の孤立をより深めることになり、経済を弱め、国民を困窮させる。米国は米国土と地域の同盟国を守るために、必要な手段をすべて取っていく」との声明を出した。

国連安全保障理事会は緊急会合の開催に向け調整に入った。日本政府は「厳しい措置」を含む新たな安保理決議の採択をめざし、米韓両国とともに北朝鮮への圧力を強める。

岸田氏は29日午前、ティラーソン米国務長官と電話で協議し「北朝鮮に最大限の圧力をかけていく必要がある」との認識で一致した。両国が「防衛体制と能力向上のための具体的行動」を進めることや、米国による日本への「核の傘」提供を含む「拡大抑止」の重要性も確認した。韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相にも電話で「対話のための対話では意味がなく、今は圧力が重要だ」との考えを伝えた。

首相は29日午後、未明に続きこの日2回目の国家安全保障会議(NSC)の関係閣僚会合を開いた。これに先立ち谷内正太郎国家安全保障局長はマクマスター米大統領補佐官(国家安全保障担当)と電話で協議し、日米韓の連携に加え、中国やロシアへの働きかけを強める方針などを確認した。

北朝鮮によるICBM級弾道ミサイルの発射は米独立記念日の7月4日に続き2回目。この時は約39分間の飛行の後、日本のEEZに落下した。日米両政府は27日の朝鮮戦争の休戦協定締結64年に合わせ、性能を高めたICBMの発射に踏み切る可能性が高いとみて警戒を強めていた。

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