2019年1月23日(水)

ふるさと納税、自治体4分の1「流出超」 17年度控除額76%増

2017/7/28 23:00
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総務省は28日、2016年にふるさと納税した人の個人住民税の控除額(17年度分)が前年比76%増の1766億円となったと発表した。納税による寄付金受け入れ額より控除額が大きい「流出超」は462自治体。前の年より63減ったが、全体の4分の1を超えた。横浜市の赤字幅が最も大きく、税収を失う大都市には不満もくすぶる。

ふるさと納税は自治体への寄付額から2千円を引いた額が国の所得税、地方の住民税から一定の限度額まで差し引ける仕組み。都市部の住民が地方に寄付すると、地方は寄付金増で財政が潤う。都市は本来徴収できた住民税が減る。実際に住民税が控除されるのは翌年度になる。

16年の寄付受け入れ額より控除額が多い、いわゆる流出超は横浜市の55億円が最大。前年から倍増した。ふるさと納税した市民は約11万人と前年から7割以上増えた。市財政局は「予想をやや上回る水準。影響は大きい」としている。

横浜市に続くのが名古屋市(31億円)と東京都世田谷区(30億円)。一方、寄付額が多い流入超の黒字自治体は、宮崎県都城市が73%増の72億円で最多。長野県伊那市(71億円)、静岡県焼津市(50億円)などが続く。

都道府県の控除額は、東京都の466億円が突出している。ふるさと納税が広がるほど都市財政が苦しくなる構図は鮮明だ。ふるさと納税による赤字額は75%分を地方交付税で穴埋めされるが、残りは自治体自ら補う必要がある。

ただ交付税を受け取らない都や東京23区や川崎市などは赤字額が全額減収になる。世田谷区は学校1校の改築費にあたる税収を失った。区は「ボディーブローのように影響が出てくる」(財政課)と危機感を抱く。

都市部自治体の反発は強く、5億9千万円の赤字となった千葉市の熊谷俊人市長は「『得をする』ということで税を支払う国民は本当に健全なのか」と憤る。5億3千万円の赤字になった千葉県船橋市は地方に対抗。17年度から返礼品の種類を大幅に増やした。

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