政府、働き方改革へ実行計画 残業上限や同一賃金

2017/3/28 23:56
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政府は28日、働き方改革実現会議を首相官邸で開き、長時間労働の是正や同一労働同一賃金の導入を盛り込んだ実行計画をまとめた。正社員による長時間労働など戦後雇用慣行の見直しに踏み込んだ。政府は今年の国会に関連法の改正案を提出し、2019年度からの実現をめざす。ただ、生産性向上や成長底上げには力不足の面もあり、なお課題を残す。

働き方改革実現会議であいさつする安倍首相(28日午後、首相官邸)

働き方改革実現会議であいさつする安倍首相(28日午後、首相官邸)

安倍晋三首相は同日の実現会議で「日本の働き方を変える歴史的な一歩。17年は出発点と記憶される」と発言。「法案を成立させなければ絵に描いた餅に終わる。全力を傾注する」と述べ、早期の関連法案提出を閣僚に指示した。

働き方改革は首相肝煎りの政策。昨年9月に有識者らで実現会議を設置し、長時間労働の是正や、正規労働者との格差がつく非正規の処遇改善などを検討してきた。

昨年末には同じ仕事に同じ賃金を払う同一労働同一賃金のガイドラインを作り、今年3月には残業時間に上限を設けることで政労使間で合意した。実行計画にはこうした成果を盛り込んだ。

検討に時間をかけたのは長時間労働の是正。残業を「原則月45時間、年間で360時間」とし、労使で協定を結べば年間720時間まで認めるとした。特に忙しい月は特例として100時間未満の残業を容認する。経団連は働き手の自由度が狭まるとして上限規制に慎重だったが、首相の裁定で上限設定が決まった。

労働者全体の4割弱を占める非正規労働者の処遇改善にも取り組んだ。同一労働同一賃金の導入で正社員と非正規の不合理な待遇差をつけないよう徹底。賃金や福利厚生も対象に処遇差をできるだけなくし、何らかの差をつける企業には説明責任を求めた。

賃上げも重点課題とした。昨秋の実現会議では17年の春季労使交渉で「少なくとも今年(16年)並みの賃上げ」を首相自ら労使に要請、4年連続のベースアップ(ベア)実現を促した。実行計画では最低賃金を年率3%をめどに引き上げ、全国加重平均千円を目指すとした。

労働者の処遇をよくする改革は一定の前進をみたが、労働参加の拡大や、成長産業に人を移す雇用の流動性を高める議論は深まっていない。転職支援や女性活躍などの政策は企業向け助成金を増やす政策にとどまる。IT(情報技術)をもとに自宅で働くテレワークや兼業・副業は導入が必要としたが、推進策などはこれから詰める。

政府は4月以降、労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)で改革の方向性を改めて確認。その後、関連法改正案を一括で今年の国会に提出する。19年度の施行を目指す。26年度までの10年で、制度導入の周知や改革内容の点検を進める。経団連の榊原定征会長は会議後、「法案作成などでは労使合意を重く受け止めてほしい」と述べた。

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