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日カリブ初の首脳会合 「米の裏庭」で中ロに対抗

【ポートオブスペイン=永井央紀】安倍晋三首相は28日(日本時間同日夜)、トリニダード・トバゴでカリブ共同体(カリコム)14カ国と初の首脳会合を開き、新たな経済協力制度の創設を打ち出した。2015年の国連安全保障理事会の非常任理事国選挙に向けた支持固め。「米国の裏庭」といえる同地域で影響力を強める中国、ロシアに米国の同盟国として対抗する狙いもある。

「小さな島しょ国に特有の脆弱性に鑑み、所得とは異なる観点の支援が重要だ」。首相は首脳会合で、防災や省エネなどの課題解決に向けた日本の支援を表明した。

カリブ諸国は国民1人当たりの所得が比較的高く、日本の政府開発援助(ODA)の適用対象から外れる国も少なくない。しかし、経済は観光など特定産業に強く依存しており、天候などに大きく左右される。日本はODA対象外でも支援できる新制度で経済的な弱さを補う。

「日本の技術を貸してほしい」「投資を増やせないか」――。首脳会合では各国から日本への期待が寄せられた。カリコム14カ国のうち10カ国は首脳、残りは副大統領や外相らが出席した。短時間の個別会談もした。

15年の非常任理事国選挙をにらむ日本にとって、国連加盟国の7%を占めるカリコム諸国は無視できない「票田」だ。首相が各国首脳らと直接会い、経済協力を約束することは、今後の連携へのきっかけになる。

「世界には一方的な現状変更の試みもある。法の支配の考え方を国際社会に浸透させたい」。首相は海洋進出を活発にする中国を念頭に呼びかけた。中ロが影響力を強めるカリブ地域だが、カリコム諸国は米国や日本と価値観が近いからだ。

中ロ首脳は7月半ば、ブラジルで開かれた新興5カ国(BRICS)首脳会議にあわせ、カリブ諸国を含む中南米に足を運んでいた。

中国の習近平国家主席はブラジル、アルゼンチン、べネズエラに続いて、カリコムには加盟していないがカリブ諸国の一つであるキューバの4カ国を訪れ、経済支援を表明した。13年にもトリニダード・トバゴなどを訪れている。

 ニカラグアでは中国企業が太平洋と大西洋をつなぐ大運河の建設を政府から受注した。パナマ運河との結びつきが強い米国へのけん制ともみられている。

ロシアのプーチン大統領はまずキューバ、その後にニカラグアとアルゼンチン、ブラジルを訪れた。キューバでは旧ソ連時代の債務免除やカリブ海での油田開発、港湾整備への協力を約束した。ウクライナ問題で悪化する対米関係を念頭に置いた外交展開との見方が強い。

日本の首相の中南米歴訪は04年の小泉純一郎首相以来10年ぶり。カリブ諸国への訪問は初の試みだ。同行筋は「今回、政府が最も期待しているのはカリコムとの連携強化だ」としている。

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