改正農協法が成立 JA全中の指導権撤廃
地域農協の競争力強化
農業の競争力強化を目指す改正農業協同組合法が28日午前の参院本会議で、自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した。約700ある地域農協が創意工夫をしやすくするため、農協の頂点にある全国農業協同組合中央会(JA全中)の監査・指導権をなくし、一般社団法人に転換する。プロの生産者と農協の連携を深め、海外産に負けない農産物作りを促す。

改正農協法では地域農協の経営を担う理事の過半数を将来性があると自治体が認めた生産者や、農産物の販売に優れた人を原則として登用するように義務づけた。兼業農家が中心だった農協経営の効率性を高める。
地域農協が農家に肥料や農薬の購入を強制したり、すべての農産物の販売を任せるよう求めたりしてはならない規定も盛った。農協のコスト削減やサービス向上を促す。
農産品の販売などを手がけている全国農業協同組合連合会(JA全農)も株式会社に衣替えできるようにする。実現すれば国際的な農産物ビジネスをいまより柔軟に展開できるようになる。
農地を所有できる農業生産法人への企業の出資比率の上限を25%以下から原則50%未満に引き上げる。農業生産法人が資本を増強しやすくすることで、事業規模を拡大しやすくする。
農地の売買や賃借を許可する市町村の農業委員会制度も見直す。いまは委員の多くを農家の選挙で選んでいるが、市町村長が任命する仕組みに改める。