国保維持、苦肉の負担増 大企業健保にしわ寄せ

2015/5/28付
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国民の負担を引き上げる医療保険制度改革法が27日の参院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した。高齢化で支払いが膨らむ医療保険を維持するため、大企業の社員や公務員の負担を増やす。財政基盤が弱い国民健康保険(国保)を支えるため、運営を市町村から都道府県に移す。

負担が増えるのは、主に所得の高い大企業の社員が加入する健康保険組合(健保)と公務員の共済組合だ。高齢者の医療を支える「仕送り金」の負担を2015年度から3年間かけて増やす。

健保財政が悪くなれば加入者が支払う保険料の引き上げにつながりやすい。実際の保険料率はそれぞれの健保などが決めるが、制度上の上限も現行の12%を16年度に13%に引き上げる。

厚生労働省は健保全体で会社負担も含めて年600億円、共済で700億円の負担が増えるとみている。足元の加入者の数で割ると、大企業社員が年2000円。公務員が7800円だ。

一方、高齢者や非正規社員の加入が増えている国保は手厚く支援する。加入者の年齢が高く医療費がかかる一方、収入が低くて十分な保険料が集まらないためだ。国保への税金の投入を広げて、17年度以降は年3400億円を支援する。大企業健保や共済の負担を増やして浮かせたお金もあてる。運営も18年度から都道府県に移す。国保の加入者は年1万100円分の負担が減ることになる。

病院に行くときの自己負担も増やす。紹介状を持たずに大病院に行く患者には追加の負担を払ってもらう。金額は5000~1万円を想定しており、有識者らの意見をもとに厚労省で詰める。高度な医療を施す大病院に軽い症状の患者が押し寄せることを防ぐ。まずは身近な相談相手になる「かかりつけ医」に行ってもらう。入院患者の食事代も1食260円から460円まで上げる。

保険がきく診療と、きかない診療を併用する「混合診療」を患者の申し出に基づいて認める制度も16年度に始める。

制度の詳しい仕組みは今後、厚労省が決める。紹介状を持たずに大病院に行ったときの追加負担額や、所得が低い高齢者の保険料の負担を17年度にどれだけ上げるかが焦点になる。

厚労省は当初、今回の制度改正で、70歳以上の外来医療費について自己負担の上限引き上げも検討した。しかし、高齢者の反発が予想されたため法案化を見送った。

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