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経済対策3.5兆円決定 地方・消費・中小に重点

政府は27日、総額3.5兆円の国費を投じて個人消費を支え、地方の産業振興を後押しする経済対策を閣議決定した。4月の消費増税後にもたつく景気を底上げし、企業の収益を増やして賃金を伸ばす「好循環」を狙う。災害復旧を名目とした公共事業や業界支援が色濃い事業も多く、財政再建との両立には課題も残った。

日本経済再生本部であいさつする安倍首相(27日午後、首相官邸)

今回の対策は「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」と名づけた。対策を裏付ける2014年度補正予算案は3.1兆円程度で編成し、来年1月召集の通常国会で早期成立を目指す。

安倍首相は同日夕に開いた全閣僚で構成する日本経済再生本部で「15年半ばの成長戦略の改定に向けて検討準備をしてほしい」と語った。一時的な景気の冷え込みには経済対策で手当てする一方、「来年の通常国会では農業、雇用、医療、エネルギーの分野での規制改革を含め大胆で思い切った成長戦略関連の法案を提出したい」とし、潜在的な成長力を高める考えを改めて示した。

日本経済は4月に消費税率を上げてから、7~9月まで2四半期続けてマイナス成長となった。政府は今回の経済対策で、国内総生産(GDP)を物価の影響を除く実質で0.7%程度押し上げる効果を見込む。

対策は大きく分けて3つの柱がある。1つは家計や中小企業向けの支援策で約1.2兆円、地方の産業振興に約0.6兆円、災害復旧・震災復興加速に約1.7兆円、合計3.5兆円を計上した。

このうち最大の焦点となる地方向けは、4200億円の交付金をつくる。自治体が商品券や割引券を発行する時の費用の一部を国が負担する。

産業振興は人口減対策につながるよう地方の雇用創出に力点を置く。地方に移り住む「Iターン」や「Uターン」を対象に、自治体による空き家の改修や引っ越しの費用を国が財政面で支援する。

家計・中小支援では省エネ基準を満たした住宅の新築や改築をした際に、エコ家電などと交換できる「住宅エコポイント」をもらえる制度を再開する。長期固定の住宅ローン「フラット35S」の金利も優遇する。中小企業の資金繰りを支える低利融資制度や、運送業者向けに高速道路料金を割り引く制度の1年間延長も盛り込んだ。

政府は経済対策や法人減税で経済を押し上げて税収を伸ばし、成長と財政再建の両立を狙う。安倍首相は同日の経済財政諮問会議で、政府が20年度に基礎的財政収支の黒字化を目指していることを巡り「(財政の)赤字を小さくするスピードを上げようとして、成長率が下がらないようにしなければならない」と表明。財政再建は経済成長に配慮する形で進めるべきだとの考えを表明した。

経済対策の財源は14年度の税収が予算よりも上振れする分や必要のなくなった経費の分を使い、新たな国債発行はしない。ただ、15年10月に消費税率を10%に上げる予定は1年半の見送りを決めた。来年1月にまとめる15年度予算案を含め、歳出の見直しは今後の大きな課題になりそうだ。

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