三井住友信託、横浜銀と業務提携へ 資産運用
地銀他行も視野
三井住友信託銀行と横浜銀行は個人向け資産運用などで業務提携する。投資信託の運用会社を共同でつくり、主に横浜銀の店舗で商品を販売する。資産運用のノウハウを持つ大手信託銀と組むことで、地銀は顧客の需要に沿った運用商品を投入しやすくなる。銀行間の新たな協力モデルとして注目されそうだ。
両行が27日、業務提携の検討で基本合意したと発表した。新会社の設立時期や出資比率などを盛った詳細は9月中にも正式に決める。三井住友信託銀が地銀と業務提携に踏み込むのは初めて。
新会社で扱うのは「顧客の長期・分散・安定的な資産運用につながる投資商品」としている。株や債券など複数の資産で分散運用する「バランス型投信」などを想定する。顧客が新会社と投資一任契約を結ぶ「ラップ口座」という運用サービスも検討する。
横浜銀の支店網を通じて新会社の運用する投信を販売し、運用資産残高を積み上げる。三井住友信託銀は横浜銀との業務提携が軌道に乗れば、ほかの地銀と同様の提携関係を築くことも視野に入れる。これまでは遺言信託の取次業務などで地銀と協力していた。
多くの地銀はグループ内に運用会社を持たず、専用商品の開発が難しかった。横浜銀は新会社を通じて、自行顧客のニーズを踏まえた投信をより機動的に組成できるようになる。投信の販売手数料に加え、新会社に入る運用関連の手数料の一部をグループの収益として取り込むこともできる。
金融庁は今回の業務提携を「踏み込んでビジネスモデルを深めようとする姿勢は評価できる」としている。