大学の軍事研究、解禁を議論 学術会議が検討委

2016/5/26 21:34
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日本の科学者の代表機関である日本学術会議(会長、大西隆・豊橋技術科学大学学長)は26日、大学が軍事目的の科学研究を手がけることについて検討する会議を設けたと発表した。軍事と民生の両分野で応用できるデュアルユース(両用)技術の扱いなどを議論する。同会議は軍事技術研究への関与を長く自制してきたが、方針を見直す可能性が強まりそうだ。

設置したのは「安全保障と学術に関する検討委員会」。大西会長のほか、日本初の女性宇宙飛行士の向井千秋東京理科大学特任副学長、山極寿一京都大学学長ら15人で構成する。来年9月をメドに結論をまとめる。

同会議は1950年と67年に、戦争目的の科学研究に関与しないとの旨の声明を出している。防衛省が昨年から基礎研究に資金を配分する「安全保障技術研究推進制度」を始めたことを受け、軍事関連技術の扱いなどを改めて議論する。都内で記者会見した大西会長は「声明を出した当時と比べて社会状況が大きく変化した」と説明した。

軍事との関わりが深い航空宇宙や原子力以外にも、ロボットや小型無人機(ドローン)、人工知能(AI)、情報セキュリティーなど大学や企業が開発した先端技術の安全保障分野への応用が始まっている。防衛省の安全保障技術研究推進制度で昨年採択された9件のうち4件は大学が担う。

防衛省の担当者は「技術の進展スピードが速く、ドローンのように意外なところから新技術が登場する」と語り、基礎研究を幅広く行う必要性を強調する。研究成果は公開するとしている。

大西会長は自衛目的の基礎研究は一定の範囲で許容されるとの考えだが、委員会での議論は「どの方向に進むかわからない」と語った。学術会議の方針に大学が従う必要はないが、学内ルールづくりが進みそうだ。

ただ、安全保障技術で、機密保持を理由に技術へのアクセスが制限される懸念もある。

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