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首相、脱デフレへ「未来に投資」 所信表明演説

働き方・子育て・農業

第192臨時国会が26日召集され、安倍晋三首相は午後の衆参両院本会議で所信表明演説に臨んだ。働き方改革や子育て支援、農業分野での「未来への投資」を経済成長の原動力とし、デフレ脱却を目指す考えを表明した。事業規模28兆円超の経済対策など「あらゆる政策を総動員」し、経済最優先の政権運営を継続する方針を示した。憲法改正では与野党に国会の議論を深めるよう呼びかけた。

首相は「アベノミクスを一層加速し、デフレからの脱出速度を最大限まで引き上げる」と強調した。内需を下支えする総合経済対策を打ち出し、最低賃金は1000円を目指し「社会全体の所得の底上げを図る」と掲げた。そのために中小企業対策で下請け企業との取引条件の改善を促した。

経済対策のキーワードは「未来への投資」。保育や介護の受け皿を前倒しで整備すると表明した。「誰もが能力を存分に発揮できる」ような一億総活躍社会を掲げ「大きな鍵は働き方改革だ」と指摘。子育てや介護と仕事を両立させるには「長時間労働の慣行を断ち切ることが必要」と訴えた。今年度中に「働き方改革実行計画」をまとめる。

仕事が同じなら賃金を同じにする同一労働同一賃金の必要性も示した。正規・非正規間の不合理な待遇差を是正するため、年内をメドにガイドラインを策定。法改正も「躊躇(ちゅうちょ)なく準備を進める」と強調した。

今国会で環太平洋経済連携協定(TPP)の承認を目指す。演説では農政新時代に向け「TPPの早期発効を大きなチャンス」と指摘し、農林水産物の輸出拡大に向けた農家支援を訴えた。農家の所得増加など農政の構造改革のプログラムを年内にまとめる方針だ。

一方、憲法改正に関しては「(改正)案を国民に提示するのは私たち国会議員の責任」と強調。「与野党の立場を超え、憲法審査会での議論を深めていこう」と、野党に議論を呼び掛けた。天皇陛下の「生前退位」を巡っては23日に新設した有識者会議で「国民的な理解の下に議論を深めていく」との方針を示した。

外交では、ロシアのプーチン大統領の12月の来日を控え、北方領土問題の解決に向け「首脳同士のリーダーシップで交渉を前進させる」と訴えた。経済やエネルギー分野でも「日ロ協力の大きな可能性を開花させる」と意気込みを示した。

中国との関係では「大局的な観点から関係改善を進める」とした。沖縄県の尖閣諸島を巡る問題や南シナ海問題では「一方的な現状変更の試みは認められない。力でなく国際法に基づいて平和的・外交的に解決すべきだ」と述べた。

北朝鮮の核実験は「国際社会への明確な挑戦で断じて容認できない」と強く非難。北朝鮮への追加制裁を念頭に「国際社会と緊密に連携し、断固として対応」と指摘した。

日米関係では「日本の外交・安全保障の基軸は日米同盟。不変の原則だ」と指摘。韓国は「戦略的利益を共有する最も重要な隣国」とし「未来志向、相互信頼の下で新しい時代の協力関係を深化する」と表明した。

首相は2020年東京五輪・パラリンピックを「何としても成功させなければならない」と強調した。18年9月までの自民党総裁任期を延長するか否かには言及しなかった。

臨時国会は民進党の蓮舫代表との論戦も注目される。蓮舫氏は旧民主党政権時に事業仕分けで「2位じゃだめか」と語ったことを念頭に、首相は演説で「世界一を目指す気概」が日本の成長につながるとも訴えた。

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