「TPP最後の閣僚会合に」 首相が大筋合意へ決意
30日開幕、乳製品交渉が焦点

2015/9/25付
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政府は25日、環太平洋経済連携協定(TPP)の関係閣僚会議を首相官邸で開いた。安倍晋三首相は米アトランタで30日から始まる参加12カ国の協議を「最後の閣僚会合としたい」と述べ、大筋合意への決意を表明した。26~29日には首席交渉官会合も開く。ただニュージーランドと対立している乳製品などは調整が進んでおらず、難しい交渉に直面しそうだ。

TPPに関する主要閣僚会議であいさつする安倍首相(25日、首相官邸)

TPPに関する主要閣僚会議であいさつする安倍首相(25日、首相官邸)

米通商代表部(USTR)は24日午前(日本時間25日未明)、約2カ月ぶりに閣僚会合を開くと発表した。前回は約3週間前の発表だったが、今回は1週間を切ったタイミング。発表が直前となったのは、大筋合意の見込みをめぐり「各国間で非常に厳しいせめぎ合いがあった」(鶴岡公二首席交渉官)ためだ。

政府はUSTRの発表を受け、関係閣僚会議を開催。安倍首相は交渉担当者らに「国益を最大限に実現する成果をあげてもらいたい」と指示した。TPP交渉を担当する甘利明経済財政・再生相も「最後の閣僚会合にしたい」と意欲を示したが、同時に「100%とはいえない」と慎重な表現も付け加えた。

TPP対策本部は25日「残された主な課題」として(1)医薬品のデータ保護期間を含む知的財産(2)乳製品や日米間の市場開放(3)自動車でどのくらいTPP域内の部品を使えば関税削減の対象にするかを定める「原産地規則」――の3点を挙げた。

乳製品交渉は、日本政府が7月末に米ハワイ州での前回会合時に、酪農大国ニュージーランド(NZ)に対して生乳換算で年3万2千トン程度の低関税輸入枠を提案した。しかしNZは年7万トン台半ばを求めたもようだ。その後も大きな進展はなく、林芳正農相は25日の記者会見で「NZは乳製品の関税撤廃や輸入拡大を求める圧力が極めて強い」と漏らした。

乳製品の交渉は2国間ではなく、多国間の利害が複雑に絡み合う構図となっている。例えば、米国はNZからの輸入を受け入れるためにも、カナダへの輸出拡大を狙う。ただ進展は乏しく、NZのキー首相は乳製品の決着は「ほど遠い」と述べている。

自動車の原産地規則では、日米とメキシコ、カナダの4カ国が精力的に交渉し、一定の前進がある。ただ多くの自動車工場を誘致しているメキシコが警戒を強め、問題解決には至っていない。医薬品のデータ保護期間も依然として米国とオーストラリアの間での調整が必要となっている。

7月の閣僚会合の直後、交渉参加国は次の会合は大筋合意ができる環境が整った場合に設定する方針だった。しかし今回は大筋合意への道筋が不透明ななか、30日からの閣僚会合に突入する。10月19日のカナダの総選挙や来年の米大統領選などTPP交渉にとって向かい風となる可能性が大きい政治日程を控えており、遅くなるほど進展しにくくなるとの判断が背景にある。

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