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たばこ・タクシー・酒の安売り…自民、規制強化へ動く

参院選へ業界対策

自民党内で規制強化の動きが広がっている。24日の総務会で、量販店による酒類の安売り競争に歯止めをかける議員立法を了承した。今国会での成立をめざす。これまでにたばこ販売店の出店規制を強化したほか、タクシーの台数規制の検討も進む。成長戦略の柱である規制緩和に逆行するとの批判もあるが、来夏の参院選に向けた業界対策が先行している。

24日の総務会では、酒税法などの改正案を全会一致で了承した。事前の党内議論では「価格競争を人為的に規制するのはいかがなものか」(若手)と否定的な意見も少なくなかったが、総務会で異論は出なかった。

同法案は財務相に酒類の製造や販売に関する取引基準を定めるよう求め、違反した場合は50万円以下の罰金を科すほか、免許の取り消しも可能にする。公正取引委員会も酒の不当廉売を取り締まっているが「罰則がなく、効果がない」との声が上がっていた。公明党も週明けには了承する見通しだ。

同法案は中小の酒販店でつくる政治団体「全国小売酒販政治連盟」(酒政連)が2年ほど前から自民党などに働きかけ続けていた。規制緩和でコンビニエンスストアやドラッグストアなどの酒販への参入が続出。価格競争についていけない経営規模の小さな酒屋の廃業が相次いでいるため「少なくとも公正な取引環境を整える必要がある」(水口尚人酒政連政策部長)と訴えていた。

自民党が業界保護の法案提出に動くのは、来年の参院選などをにらんだ「町の酒屋さん」の影響力がある。全国小売酒販組合中央会によると、組合員数は約7万人で衆院選の1小選挙区あたり200人強。自民党議員は「店主は地元の名士がほとんどで、地域での影響力を考えればその数倍の票をあてにできる」と話す。

規制強化を求める署名活動では約50万人分を集めた。政党離れが進み、投票率も低迷するなか「確実に投票してくれる人を重視するのは当たり前だ」(改選を迎える参院議員)という声は根強い。自民党の「街の酒屋さんを守る国会議員の会」(田中和徳会長)には約260人が名を連ねる。

規制強化に向けた動きはほかにもある。2014年には財務省がたばこ小売店の出店を厳しくする措置を実施した。既存店の月間販売量が一定の基準を超えると周辺に新たな店舗を開くことができないが、その基準を大幅に引き下げた。小規模店の声を受け、自民党側が働きかけた。

13年には同じく苦境に立つタクシー業界向けの規制強化の議員立法が成立した。国が定める運賃幅の範囲での営業を求めた。減車を事実上義務づける内容も盛り込んでおり、各地で台数規制の協議が進んでいる。

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