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政府・沖縄、対立色再び 慰霊の日 首相・知事会談は5分

沖縄戦の犠牲者を悼む「慰霊の日」を23日に終え、米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設をめぐる政府と沖縄県の対立が再び激しくなりそうだ。沖縄を訪れた安倍晋三首相と翁長雄志知事の会談はわずか約5分間に終わった。追悼式の「平和宣言」で、翁長氏は辺野古移設反対など基地問題に半分以上を費やし、政府と沖縄県の溝の深さを浮き彫りにした。

23日の追悼式。「今後も沖縄の負担軽減に全力を尽くしたい」と訴える首相に会場から「帰れ」などと罵声が飛んだ。首相は追悼式後、記者団に「普天間の固定化はあってはならない」と辺野古移設の必要性を強調。しかし厳しい空気に配慮してか、これまで繰り返してきた「辺野古移設は唯一の解決策」との表現は使わなかった。

翁長氏は戦後70年の節目の平和宣言で「政府は移設作業の中止を決断し、政策を見直すことを強く求める」と力説した。平和宣言では歴代知事も普天間基地の県外移設や負担軽減を訴えてきたが、宣言の半分も費やすのは異例だ。会場では首相あいさつとは対照的に翁長氏に拍手が湧いた。

この日、首相と翁長氏の間には微妙な空気が流れ続けた。追悼式会場を訪れた首相は出迎えた翁長氏と握手を交わさず険しい表情のまま。帰途に就く直前、那覇空港で短時間会談したが、同席した山口俊一沖縄・北方相が沖縄観光について聞き、翁長氏が説明するなどにとどまった。

歴代首相は2000年以降、03年を除き毎年6月23日に沖縄を訪れている。仲井真弘多前知事時代は昼食を取りながら会談するのが恒例だった。菅義偉官房長官は記者会見で「国会がこういう状況だからできなかった」と説明した。

今後は波乱含みだ。県の第三者委員会は7月中に前知事が埋め立て申請を承認した過程を検証した結果を報告する予定。翁長氏はこれを受けて承認の取り消し、撤回に踏み切る考えを明言している。政府高官は「裁判になるだろう」と漏らす。

前知事の承認時、留意事項として埋め立てを始める際に国が県と協議するとした取り決めも焦点だ。計画に細部でも変更があれば、改めて県や名護市の承認が必要とされる場面も想定され、その場合は「着工の遅れはやむを得ない」との声が政府内にある。

沖縄県議会も、県外から土砂や石材の持ち込みを規制する条例案を7月10日に成立させる見通しで、埋め立てに必要な土砂の搬入に影響が出る可能性がある。

政府は沖縄の出方を見極めつつ、計画通り今夏に埋め立てを始める方針を変えていない。ただ安全保障関連法案の慎重審議に向けて国会を大幅に延長したのを踏まえ「埋め立て強行の印象が安保審議に影響しないよう、政府は着工に慎重になるのではないか」との声も沖縄には出ている。

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