キューバへ投資拡大 首相とカストロ議長会談

2016/9/23 10:18 (2016/9/23 13:43更新)
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 【ハバナ=酒井恒平】安倍晋三首相は22日午後(日本時間23日午前)、日本の首相として初めてキューバを訪問し、首都ハバナでラウル・カストロ国家評議会議長と会談した。経済協力を強め、日本からの投資を拡大する方針で一致。会談後、両政府は日本が12億7300万円の無償資金協力で医療機材を供与する書簡を交わした。

キューバのラウル・カストロ国家評議会議長(右端)と会談する安倍首相(左から3人目)22日、キューバ・ハバナ=共同
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キューバのラウル・カストロ国家評議会議長(右端)と会談する安倍首相(左から3人目)22日、キューバ・ハバナ=共同

 会談は夕食会を含め3時間30分に及んだ。首相は「キューバは魅力的な投資先として可能性を持つ。官民を挙げて発展を支援したい」と表明。「日本企業は信頼できるパートナーだ」と伝えた。議長は「日本の高い技術力を評価する」と応じ、キューバのビジネス環境整備に向け努力する方針で一致した。

 日本は1970年代、キューバにとって西側最大の貿易国だった。その後両国関係は希薄になったが、昨年の米国とキューバとの国交回復を受け、各国が経済関係の強化を急いでいる。首相は会談で包括的な経済支援を約束し、日本企業の進出を加速させたい考えだ。

キューバの首都ハバナでフィデル・カストロ前国家評議会議長(右)と握手する安倍首相(22日)=AP共同
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キューバの首都ハバナでフィデル・カストロ前国家評議会議長(右)と握手する安倍首相(22日)=AP共同

 首相は日本への返済が約30年間滞っている債務約1800億円のうち、1200億円の返済を免除する方針を伝えた。独立行政法人の日本貿易保険(NEXI)は停止していたキューバ向け投資保険の新規引き受けを再開し、日本企業の進出を後押しする。

 具体的な投資案件を早期に実現するため、政府や企業関係者が参加する官民合同会議を事務レベルから副大臣級に格上げし、11月に日本で開く。2017年2月にはテーマをキューバのインフラ整備に限定した官民インフラ会議も開く。国際協力機構(JICA)は現地に事務所を開設する。

 書簡を交わした医療機器の無償供与は、キューバの死因トップであるがん対策向けの機材などが対象。日本による本格支援の第1弾とする。

 日本の医療技術や機器の使い方を習ってもらう医師育成拠点「キューバ・日本医療センター」設立に向け両国が調査を始める。農業機材の供与に向けた調査も加速する。

 キューバは経済成長のため外資誘致を進め、開発需要が見込まれる有望な市場だ。鉱物や観光資源が豊富なのも魅力だ。

 キューバは同じ社会主義国の北朝鮮と友好関係にある。首相は「弾道ミサイル発射などを強行している。東アジアの平和と安定は大事だ」と核・ミサイル開発問題で協力を求めた。中国による南シナ海進出問題に懸念も示した。議長はいかなる紛争も平和的解決が重要との認識を示した。

 首相はキューバの日系人とも懇談し「両国友好の懸け橋として尽力された」とたたえた。ハバナ中心部の革命広場も訪れ、キューバ独立の英雄、ホセ・マルティの記念碑に献花した。

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