農産物輸出へ官民で作業部会、6月までに具体策 TPP対策
政府は22日、環太平洋経済連携協定(TPP)の農業分野の対策づくりに向けた体制を決めた。最大の柱である農産物の輸出拡大は、官民の作業部会を設置して6月までに具体策を詰める。農業資材の価格下げと農産物の流通・加工構造の見直しは、政府の産業競争力会議と規制改革会議で改革案をまとめる。人材育成などその他の対策は農林水産省が検討する。
同日の農林水産業・地域の活力創造本部で体制を決めた。TPP対策は第1弾を2015年度補正予算に計上し、今回検討するのは第2弾。秋までに詳細をつめる。
安倍晋三首相は22日の活力創造本部で「輸出促進は農政新時代の一丁目一番地」と述べた。同本部につくる作業部会には関係省庁に加え、JA全農ミートフーズの木村敬社長、三菱商事の小島順彦会長、ヤマト運輸の長尾裕社長、ファミリーマートの中山勇社長らが参加する。座長には甘利明経済財政・再生相が就く。
輸出拡大へ官民の協調体制をどうつくるか、各国との検疫協議をどう進めるか、輸送コストをどう下げるかなどを議論。「2020年に1兆円」という輸出目標の見直しも検討する。2月上旬に初会合を開く。
輸出と並ぶもう一つの柱は海外より割高とされる肥料、飼料、農機具の価格を下げ、農家の実質所得を増やすこと。JAグループのシェアが高く非効率とされる流通、加工の構造にも切り込む。これらのテーマは他産業との関連が深いため、競争力会議、規制会議で議論する。