2019年7月22日(月)

訪日客や再開発、地価押し上げ 地方観光地も恩恵

2016/3/23 2:00
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8年ぶりに上昇に転じた公示地価のけん引役が大都市の商業地だ。訪日外国人の急増や再開発ラッシュが呼び水となって投資マネーが流入、地方にも広がってきた。ただこうしたイベントのない地域では、引き続き下落傾向が続く。地価上昇が全国に行き渡る前に、過熱感を指摘する声も出てきた。

買い物をする訪日客らで歩道はびっしり(東京・銀座)

買い物をする訪日客らで歩道はびっしり(東京・銀座)

過去最高の公示地価を記録した東京・銀座を抑え商業地の地価上昇率で首位となったのが大阪・心斎橋(45.1%)。銀座と並ぶ「爆買い」の中心地だ。

大丸の旗艦店である心斎橋店では、2016年2月期の免税品売上高が前の期に比べ2倍以上になった。ラオックスが同社最大級の免税店を2月に開業するなど訪日客の増加を当て込んだ投資が止まらない。

商業地の上昇率上位10地点のうち6地点が大阪市内だ。訪日客の増加に伴いホテル不足が深刻化、ホテル用地の取得競争が激しくなっているのも地価上昇の要因だ。「マンション開発事業者との取り合いで、ホテル事業者が相手の1.5~2倍で落札した案件もある」(地元の不動産鑑定士)

地方の観光地にも訪日客効果は広がり始めた。

世界的に有名なリゾート地「ニセコ」を擁する北海道倶知安町の住宅地は19.7%上昇し、住宅地の伸び率で首位となった。周辺で外資系ホテルの建設が相次ぐ。

訪日客がこの5年で倍増した大分県の由布院温泉(由布市)では、人気エリアの街道そばの商業地が15.4%上昇した。温泉街が狭く、売り物件も少ないため、店舗の賃料が大分市の中心部とほぼ変わらない水準まで上がっているという。

都市部のもう一つの押し上げ要因が再開発だ。

「虎ノ門ヒルズ」が14年に開業した東京・虎ノ門地区では、国家戦略特区を活用した地下鉄日比谷線の新駅建設を含めた再開発が続く。同地点は17.1%上昇した。

JR名古屋駅前では3月9日に地上34階、地下4階建ての「大名古屋ビルヂング」が全面開業した。ビル近くの地価は36.0%上昇した。来年にかけて複数の高層ビルが開業。名古屋駅周辺では、27年に開業予定のリニア中央新幹線に伴う将来の開発期待もあって、地価上昇は続きそうだ。

福岡も再開発ラッシュに沸いている。JR博多駅前には「JRJP博多ビル」が4月に開業。訪日客を当て込んだホテルの新増設も相次ぐ。オフィスビル用地との土地の奪い合いで入札価格が急上昇。同駅近くで昨年の公示地価の3倍の価格で落札した物件もあるという。こうした状況を反映し近隣の商業地の地価は24.5%上がった。

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