消費浮上、景気を押し上げ 1~3月GDP実質2.4%増

2015/5/21付
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内閣府が20日発表した2015年1~3月期の国内総生産(GDP)速報値は、消費を軸に景気が緩やかに回復する姿を示した。物価変動の影響を除いた実質のGDPは年率換算で2.4%増となった。株高や賃金・雇用の好転などの追い風を受け、4月以降も景気の回復は続くとの見方が多い。ただ、海外景気の影響を受ける輸出の先行きなど不安も残る。

1~3月期の実質GDPは14年10~12月期に比べ0.6%増えた。GDPの6割を占める消費が3四半期連続で伸び、全体を押し上げた。昨春の消費増税後に落ちた設備投資や住宅投資も4四半期ぶりに増加に転じた。

0.6%の内訳をみると、在庫が0.5%、消費が0.2%プラスに働いた。設備投資と住宅も4四半期ぶりにプラスに寄与した。輸出から輸入を差し引いた外需はマイナス0.2%とブレーキとなった。

消費はテレビ、冷蔵庫といった家電や携帯電話などが引っ張る形で、前期より0.4%増えた。ただ、増加率は前期と同じで力強さを欠く。雇用や賃金の増加が追い風となる一方、物価上昇で家計の購買力はなお伸び悩んでいる。所得増や株高を背景に消費の拡大が続くかが焦点となる。

兆しはある。4月の売上高はスーパーが前年同月比6.4%増、主要コンビニエンスストア10社も同4.0%増だった。百貨店も株高を受け高額品の販売が好調だ。高島屋の木本茂社長は「6月の賞与支給を機に回復のスピードが加速する」と期待する。

設備投資は通信など非製造業を軸に消費増税後の落ち込みから脱した。先行指標である機械受注も1~3月期は製造業からの受注の2.3%増に対し、非製造業からの受注は8.5%増えた。設備投資を支えるのは内需で稼ぐ企業だ。

不安材料は2つある。一つは前期比2.4%増と前の期の3.2%より伸びが鈍化した輸出だ。中国など新興国の景気減速で海外需要が陰り、機械などの輸出が鈍っている。当面は輸出の大幅な伸びは見込みにくい。

もう一つのかく乱要因は在庫だ。在庫は1~3月期も10~12月期も前の期に比べ減ったが、減少幅は1~3月期の方が小さかった。これがGDPの伸び率を高める方向に働いた。

ただ、消費増税後は在庫の振れが大きくなっている。10~12月期のGDPが改定値で0.2%下方修正された主因も在庫だった。みずほ総研の徳田秀信主任エコノミストは「1~3月期も仮置きの在庫データがGDP速報値を0.3%押し上げており、下方修正される可能性がある」と見る。

在庫を取り崩す動きが鈍る理由は2つある。出荷増を見込み意図的に在庫を持つ場合と、出荷減で在庫が想定を上回ってしまう場合だ。1~3月期の動きがどちらかはまだ分からない。後者の理由なら4~6月期は在庫を取り崩す動きが再加速し、GDP伸び率を下押しする可能性もある。

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