チュニジアで襲撃、邦人3人死亡・3人負傷 政府確認
現地の日本人に注意呼びかけ

2015/3/19付
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【パリ=竹内康雄】北アフリカ・チュニジアの首都チュニスで18日、数人の武装グループに博物館が襲撃され、日本人を含む外国人観光客ら少なくとも19人が死亡、多数の負傷者を出した。日本政府は19日午前、日本人3人の死亡、3人の負傷を確認。ほかに被害に遭った日本人がいないか情報収集を急いでいる。犯人の一部は逃走しており、日本政府は現地の日本人に注意を呼びかけた。

日本政府がチュニジア政府に確認したところ、事件は18日、首都チュニスの郊外にある国民議会議事堂を数人の武装集団が襲撃、さらに隣接するバルドー国立博物館で観光客らを襲い、立てこもった。立てこもりは数時間続き、現地の治安部隊が実行犯のうち2人を射殺したものの、一部は逃走している。人質は全員解放されたが、現地の報道によると19人が死亡したとしている。

チュニジアのシド首相は18日夜のテレビ演説で、死亡者に日本人5人が含まれると明らかにしたが、日本政府高官は「チュニジア政府に確認したところ、5人というのは負傷者を含めた数だ」と述べ、事実関係を修正した。

シド首相によると、日本人のほか、イタリア人やフランス人、コロンビア人ら17人の外国人と、2人のチュニジア人が死亡。けが人は50人程度という。重篤な状態のけが人もいるとされ、今後、死者の数が増える可能性がある。

チュニジアでは2011年1月、民主化運動の拡大で事実上の独裁制を敷いていたベンアリ大統領が退任し、民主体制に移行。14年12月の大統領選で、新大統領が誕生したばかりだった。だが独裁政権下では軍などの力が強く治安は安定していたものの、民主化に伴い軽犯罪などは多発。アルジェリア国境などからの、イスラム過激派の流入も確認されていた。

事件の犯行声明は出ていないが、当局はイスラム過激派による犯行との見方を強めているもようだ。チュニジアは若者の失業率が高く、社会への不満からイスラム過激派に感化し、イラクやシリアに向かった若者が2000~3000人いるとされる。

チュニジアでは外国人観光客を狙った犯行に衝撃が広がっている。シド首相は「許しがたい攻撃」と非難。主力産業である観光業への影響は避けられない。

▼チュニジア 北アフリカに位置する。約1100万人の国民の多くがイスラム教を信仰する。人口の大半はアラブ人。警察への抗議として若者が焼身自殺したことをきっかけに民主化運動「ジャスミン革命」が起き、2011年1月に23年間続いた独裁政権が崩壊した。エジプトやリビア、イエメンなどにも反政府デモが拡大し、「アラブの春」と呼ばれた。
 事件のあったチュニス近辺に点在する古代ローマ時代の遺跡のほか、南部には世界最大級の砂漠として知られるサハラ砂漠が広がり、観光地として人気が高い。新政権も観光を重要産業に位置づけている。
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