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天皇退位、特例法案を閣議決定 今国会成立へ

政府は19日の閣議で天皇陛下の退位を実現する特例法案を決定した。陛下の一代限りの退位を認める。閣議決定前に与野党で合意形成しており、来週審議入りした後、大きな異論なく今国会で成立する見通し。2018年中の退位に向けた法整備が進む。審議と並行して与野党がまとめる付帯決議で、皇位の安定継承策を巡る文言をどう記述するかが焦点となる。

閣議に臨む安倍首相(19日午前、首相官邸)

法案名は「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」とし「天皇陛下」は用いず「天皇」とした。与党は与野党の事前協議で陛下一代限りの退位を強調するため「天皇陛下」を使うよう主張したが、将来の先例にするため「天皇」にするよう求める野党に配慮した。皇室典範の付則に「特例法は典範と一体」との規定を新設する規定を入れた。

退位に至る事情も書き込んだ。陛下が公務などの継続が困難となることを「深く案じておられる」と指摘。「国民は陛下のお気持ちを理解し、共感している」と記した。

一方、16年8月に陛下が退位の意向をにじませたビデオメッセージによる「お言葉」には触れなかった。陛下の意思で政府が法整備に動いたと受け取られ、憲法が禁じる天皇の政治的行為に抵触するのを避けた。

退位の時期は法律の公布日から3年を超えない範囲で政令で定める。その際、三権の長や皇族らでつくる皇室会議を開き、首相が意見を聞く規定も明記した。天皇の恣意的・強制的な退位を防ぐ。

与野党は週明けに開く衆院の議院運営委員会で実質審議入りする予定。衆院通過した後、参院は特別委員会で審議し、今国会の成立をめざす。菅義偉官房長官は19日の閣議後の記者会見で「速やかな法案の成立を期したい」と述べた。

衆院議運委や参院特別委はそれぞれ全会派が参加できるようにする。丁寧な審議を印象づける。

与野党は法案審議と並行し、皇位の安定継承を政府に促す付帯決議の文言調整を進める。女性皇族が結婚後も皇室にとどまる女性宮家の創設などの具体策を書き込むかや、政府の検討期間を明記するかが焦点となる。

秋篠宮家の長女の眞子さまが婚約される予定で、皇族が1人減る見通しになったことが議論に影響する可能性もある。旧民主党の野田政権は皇族数の減少対策で女性宮家創設を唱えた。民進党は女性宮家の創設を明記し、特例法の施行から1年をメドに結論を出すよう求める。だが保守層が支持基盤の自民党は女系・女性天皇の議論につながることを警戒し慎重論が強い。

特例法案の成立後は、政府による新元号の選定や公表手続き、改元の時期などに焦点が移る。

天皇の退位等に関する皇室典範特例法案の概要
○天皇陛下のお気持ちへの国民の理解と共感を1条に明記
○天皇、皇后両陛下の退位後の呼称は「上皇」「上皇后」
○公布から3年を超えない範囲で政令で定める施行日に退位。首相は皇室会議の意見を聴取。

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