食料自給力、栄養に課題 農水省新指標

2015/3/17付
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農林水産省は17日、国内の農地をフル稼働してどの程度の食料を供給できるかを示す「食料自給力」という指標を初めて公表した。イモ類を中心に作付けすると国民1人が必要な熱量(1日に2147キロカロリー)の約1.3倍を供給できるが、栄養バランスを考慮した作付けだと必要量の7割にとどまる。農地の有効活用が課題であることが改めて浮き彫りになった。

自給力は輸入が途絶えた場合の4パターンの食生活で示した。最も供給カロリーが少ないのは栄養バランスを考慮して作付けした場合。1日にごはん2杯、うどん1杯、焼き魚1切れ、焼き肉を10日に1皿などの比較的多彩なメニューになるが、供給量は1495キロカロリーと必要量を約650キロカロリー下回った。

供給カロリーが最大になるのは栄養バランスを考慮せずにイモ類を中心に作付けをする場合で、2754キロカロリーを供給できる。必要量を約600キロカロリー上回るものの、主食は焼き芋に切り替わる。

いずれのケースも荒れた農地のフル活用を想定しており、農水省は自給力という新たな指標を活用し、農地再生に弾みをつけたい考え。

国民が消費した食料をどれだけ国産で賄えるかを示す食料自給率の目標(カロリーベース)は、50%から45%に引き下げた。足元の食料自給率は39%で推移している。

2000年から掲げる自給率目標を下げるのは初めて。日本は質の高い野菜や果実の輸出を増やすことを目指しているが、これらはカロリーが低く、自給率の向上にはほとんどつながらない。高すぎる目標がカロリーの高い穀物への巨額の補助金の裏付けにもなっていたため、目標の修正が必要と判断した。

新目標の45%は25年度の達成を目指す。生産額ベースの自給率目標は高付加価値品を増やして70%から73%に上げた。

ただ国産が多いコメの消費は少子高齢化で毎年減り続けるうえ、新目標は1人1日あたりの鶏肉、豚肉などの消費量がほとんど変わらない前提ではじいており、なお実現するかは不透明だ。

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