年功重視の賃金・退職金、転職者に不利

2017/2/18 1:06
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 年功序列と終身雇用が根強く残る多くの日本企業では、退職金や賃金が勤続年数を基準に決められている。ひとつの会社に長く働き続けた方が生涯受け取る額が大きくなりがちだ。退職金制度の見直しに加え、転職に伴う失業対策や能力開発で転職をさらに後押しする必要がある。

 人口減で労働供給の制約が強まる中、働き手が企業を超えて成長分野に転職できるような柔軟な労働市場の整備が急務になっている。

 一般的な企業では賃金カーブが40~50代にかけてピークを迎えるため、若手に比べると管理職候補の年代は転職に踏み切りにくいとされる。退職金も長く勤めるほど有利な仕組みだ。こうした点を改善しないと、企業も有能な人材を獲得することが難しくなってくる。

 税制も追いついていない。課税対象となる退職所得を計算する際に一定額を控除できる退職所得控除額は、勤続年数が20年超だと控除額が大きくなる。大和総研の鈴木準主席研究員は「20年で区切る根拠が不明だ。定年時に大きな退職金を受け取ることを前提としている」と指摘する。

 厚生労働省の調査では、正社員向けに退職金制度を持つ会社は全体の7割に及ぶ。転職市場をさらに普及させるには、企業の退職金や賃金制度の改革が避けて通れない。

 企業年金制度について、政府は転職してもできるだけ不利になりにくい制度を整備しようとしている。日本の企業年金には、あらかじめ給付額が決まっている確定給付型と、自ら運用して成績次第で金額が変わる確定拠出型がある。両方の企業年金とも同じ制度の中であれば、転職しても年金資産の持ち運びは可能だ。

 ところが、確定拠出型の場合は、新しい職場の企業年金が確定給付型しかないと移管ができない。法改正で来年の6月までには持ち運びが可能になり、制度上は弊害がなくなる。

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