2018年11月21日(水)

消費増税、マイナス成長でも「予定通りに」多数 点検会合

2014/11/17付
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内閣府が17日発表した7~9月期の国内総生産(GDP)速報値がマイナスになったことを受けて、政府が同日開いた4回目の消費税有識者会合の参加者にも「予想外」と困惑する声が出た。ただ経済の好循環は続いているなどとして、来年10月に予定する消費税率10%への引き上げは予定通りに実施すべきだとの意見が多かった。

点検会合の後、記者団の取材に応じた有識者の発言要旨は以下のとおり(○は予定通り実行、×は延期・増税反対など、△はその他)

▼西岡純子・アール・ビー・エス証券チーフエコノミスト〔○〕

7~9月期のGDPがマイナスだったので消費増税すべきと主張をするのは難しいかなという気持ちになったのは事実。ただ経済全体の好循環そのものが損なわれていないので一時的なマイナス成長と考える。「べき論」に基づいて議論する限りは消費増税をすべきだと思うしそれが国の財政の状況である。早くするか遅らせるかということについても国の信認を確保するという目的があるのであれば決めたことは実行する姿勢を貫くべきだ。

▼深尾光洋・慶応大教授〔○〕

7~9月期GDPはマイナスになったが天候不順がかなり影響した。雇用者所得はまだ伸びており、日銀の強力な緩和もあった。景気はまた回復軌道に乗ることが見込める。ある程度の経済対策は必要だが、消費税率は予定通り引き上げるべきだ。17日発表のGDPは2カ月分のデータしかない指標も多く、もう1カ月たたないと本当の7~9月期の状況は分からず、今回のデータに大きく引っ張られるべきではないと思う。

▼片岡剛士三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員〔×〕

7~9月期のGDPは大方のエコノミストの予想をはるかに超える低い状態だ。点検会合を開いている暇があるのであれば経済対策をやった方がいい。問答無用で増税は凍結した方がいい。社会保障の基幹的な財源として消費税を考えるのは現実性に欠ける。家計の実質所得の落ち込みを下支えする政策が必要だ。

▼平野信行・全国銀行協会会長〔○〕

7~9月期のGDPは事前予想より低い数字だったが、中身を見れば雇用者所得は伸びているし輸出も増えている。日本経済は景気回復に向けたモメンタム(勢い)が途切れたわけではない。消費税率の引き上げは予定通り行うべきで、延期するとしても実施時期は明確にすべきだ。

▼稲野和利・日本証券業協会会長〔○〕

一定の経済対策を打ったうえで、予定通り消費税を引き上げるべきだ。社会保障の維持や財政再建の観点から、増税は避けて通れないと考えている。7~9月期のGDPがマイナス成長になったのは予想外だったが、民間の在庫投資が押し下げた面もあり、景気が腰折れしたわけではない。株式相場も大幅安になったが、直近の急上昇を受けた利益確定売りの側面が強い。今日の株安が(株価の調整局面入りなど)相場の方向性を示すものではないとみている。

▼若田部昌澄・早大教授〔×〕

消費増税はアベノミクスのデフレ脱却という最優先事項と矛盾している。消費増税の有効性に疑いがある。名目の成長率を上げることが財政再建の道であって消費増税はいまの時点では引き上げるべきではない。7~9月期のGDPをみると経済は非常に傷んでいる。回復のためには消費税を5%に下げるのが最善だ。

▼上野泰也・みずほ証券チーフマーケットエコノミスト〔△〕

景気のけん引役が不在だという警告をずっとしてきた。円安進行でも輸出が伸びない。7~9月期のGDPでは設備投資もマイナスが続いている。個人消費・輸出・設備投資はいずれも中途半端。この状況で増税すると景気が本格的に腰折れするリスクが非常に高い。しかし中長期的な視点では国が借金を返す、社会保障のコストを払うという姿勢を諸外国に示す必要がある。国民が納得できる説明を政府ができるなら増税すべきだ。

▼冨山和彦・経営共創基盤最高経営責任者〔○〕

消費税は景気状況に構造的な失速要因がないのであれば粛々と上げた方がいい。観光業や社会福祉関係の産業など成長が期待される分野の実質賃金が思うように上がっていないことが気になる。私は中長期的・構造的な賃金動向や雇用指標の情勢を重視する立ち位置だが7~9月期のGDPは3カ月の数字。大事な指標ではあるが雇用情勢を深く分析してもらって(政府には)最終判断してもらいたい。

▼江夏あかね・野村資本市場研究所主任研究員〔○〕

市場予想と比べると今朝のGDP速報値の発表は下振れしていたが、それを払拭するだけの経済対策を講じるなりして、とにかく財政の持続可能性を維持することがとても重要だ。延期の場合の選択肢は狭く難しい。特に地方財政を考えると社会保障の充実ができずにどうやって人口減対策をするのかが見えない。

▼末沢豪謙・SMBC日興証券金融財政アナリスト〔○〕

一定の経済対策を実施したうえで(消費増税は)予定通り実施すべきだ。早めに消費増税をやって財政健全化と成長戦略の両輪を同時に並行的に回していくことが必要だ。社会保障給付を賄うため税負担増は不可避になっている。少子高齢化の進展は構造改革をより困難にする。世代間格差是正、国債信認のためにも再増税すべきだ。

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