2019年7月20日(土)

「格差」「働き方」で党首対決 衆院代表質問

2015/2/16付
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衆院は16日、安倍晋三首相の施政方針演説への各党代表質問に入り、1月に就任した民主党の岡田克也代表が首相に初めて論戦を挑んだ。岡田氏は格差の拡大に照準を定めて、首相がアベノミクスの一環として掲げる雇用規制改革の修正も迫った。首相は「所得格差は横ばいで推移している」と反論し、多様で柔軟な働き方を進めていく考えを強調した。

16日、衆院本会議で質問する民主党の岡田代表。右奥は安倍首相

岡田氏「最大の問題は成長の果実を分配する視点が欠落していること。先進国のなかで最も格差の大きい国の一つだ」

首相「頑張れば報われる社会の実現に向け尽力していく」

岡田氏はまず「民主党の立ち位置」に言及。生活者や消費者、働く者の立場に立つ政党だと訴えた。成長重視の安倍政権との対立軸の象徴に据えたのが格差論争だった。

政府の経済政策を「短期的に株価を上げる政策に重点が置かれ、本質的な成長戦略には見るべき実績がない」と批判。格差を縮めるため、富裕層への所得課税や資産課税の強化のほか、低所得者を対象にした給付付き税額控除の検討を求めた。

首相は「税や社会保障による再分配後の所得格差はおおむね横ばいで推移している」と切り返した。格差の固定化を避けるため、税制や社会保障による低所得者対策、子育て支援の拡充に努めると強調。給付付き税額控除は「所得や資産の把握、執行面での対応に課題がある」と慎重だった。

岡田氏「雇用規制の緩和は、誤った『第3の矢』の典型だ」

首相「働き過ぎを是正するとともに、多様で柔軟な働き方を進め、あらゆる人が生きがいを持って創造性を発揮できる環境をつくっていく」

岡田氏は成長戦略の必要性では同調しつつ、雇用規制改革が格差拡大につながると反発した。非正規雇用者の増加を挙げ「結婚、出産をあきらめなければならない多くの若者がいる現実を無視している」と指摘。労働者派遣法の改正や、時間ではなく成果に賃金を払う「脱時間給」(ホワイトカラー・エグゼンプション)の見直しを求めた。

首相は「不本意ながら非正規の職に就いている人の割合は低下している」とし、非正規雇用者のキャリアアップや処遇改善への取り組みを進めていく重要性を説いた。この後に質問した自民党の谷垣禎一幹事長には「農業、雇用、医療、エネルギーなど岩盤のように堅い規制に対し強い決意をもって改革を断行していく」と力説した。

首相と岡田氏は集団的自衛権や憲法改正でも火花を散らした。岡田氏が「一内閣の判断で憲法解釈を変えたのは立憲主義に反し、憲政史上の大きな汚点となった」と矛先を向けると、首相は「必要最小限度の自衛の措置を許されるという従来の憲法解釈の考え方を変えるものではない」と反論。海外での自衛隊の活動範囲拡大でリスクが高まるとの懸念にも「自衛隊には一層の役割を担ってもらう」と突き放した。

首相は日本への原油輸送ルートである中東・ホルムズ海峡が機雷で封鎖された場合に、集団的自衛権行使発動の要件に該当するとの認識も示した。この後の維新の党の江田憲司代表の質問には、自衛隊の海外派遣を随時可能にする恒久法を制定する意向を示した。

憲法改正では岡田氏が首相の過去の発言を「憲法をさげすんでいるとの誤解を与えかねない」と批判した。首相は「現行憲法は戦後の占領下に原案が連合国軍総司令部によって短期間に作成されたとの事実を述べたものにすぎない」と語った。

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