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TPP日米実務者協議終了 農産物で合意へ前進

貿易と投資の自由化をめざす環太平洋経済連携協定(TPP)を巡る日米実務者協議が16日、3日間の日程を終えた。焦点の米国産の牛肉・豚肉などを巡る輸入条件では、合意に向けて前進があったもようだ。日米両政府は今春の決着を視野に入れる。2016年には米大統領選と日本の参院選を控えており、交渉に専念できる時間的な余裕が乏しくなってきているためだ。

「タイムリミットが迫りつつあるので米政府もかつてなく真剣な交渉を始めた」。TPP担当の甘利明経済財政・再生相は16日の閣議後の記者会見で、こう語った。

米通商代表部(USTR)のカトラー次席代表代行が14日来日し、大江博首席交渉官代理らと米国産の農産品と日本車の輸入関税などを話し合った。

大江氏は協議後、外務省内で記者団に「残された問題は減ってきている。最終的な(合意)ラインに向けて何をやらないといけないのか打ち合わせもした」と発言。カトラー氏も「自動車や農産品で隔たりが狭まった。双方にギブ・アンド・テークをしている」と高く評価した。

交渉が加速した主因は16年の米大統領選と日本の参院選という政治日程だ。年内にTPP協定をまとめあげないと米議会は来年いっぱい休会に近い状態になる。

日本にとっても来年夏の参院選の直前に農産品の関税を大幅に引き下げる内容が明らかになれば、安倍政権にとって不利な選挙になりかねない。今年中に妥結し農家向けの国内対策をしっかり練り上げたいのが本音だ。

日本の交渉筋は「日米両国の実務者レベルで、米国産牛肉・豚肉の輸入量が急増した場合に高水準の関税に戻すセーフガードの発動水準で着地点がみえてきた」と指摘する。日本は牛肉と豚肉の現行関税を大幅に下げる譲歩案を提示済みで、セーフガードで折り合えば合意がみえてくる。

日本車でも日米間の貿易でなんらかの問題が起きて日本側に責任があった場合、米国が撤廃した自動車関税を元の水準(2.5%)まで戻せる紛争処理手続きを巡って詰めの調整が続いている。

TPP交渉参加の12カ国は1月下旬から米国・ニューヨークで首席交渉官会合を開く予定。新薬をつくる権利など知的財産権の保護を強めて自国産業を守りたい米国と新興国が対立。早期に決着するには米国の譲歩が欠かせない。太平洋を取りまく国々で自由貿易を標榜する一大経済圏を築くことができるのか。TPPは時間との勝負になりつつある。

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