2018年12月15日(土)

日越首脳、TPP発効へ連携 巡視船6隻供与

2017/1/16 20:09
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【ハノイ=上林由宇太】安倍晋三首相は16日、ベトナムのハノイでグエン・スアン・フック首相と会談した。環太平洋経済連携協定(TPP)の早期発効で両国が連携し、自由貿易体制を維持する方針で一致。安倍首相は中国が進出を強める南シナ海の海上警備能力の強化に向け、新造巡視船6隻を供与する方針を表明した。インフラ整備など新たに約1200億円の円借款実施も伝えた。

「ベトナムの国内手続きの進捗を期待したい」。安倍首相は首脳会談で、TPPの早期発効に向けてこう呼びかけた。日本側の説明によると、フック氏は「ベトナムもTPPを重視しており、批准に向けて準備している」と表明。国内の承認手続きを終えた安倍首相に対し「日本のがんばりがあったからこそ、追随して国内的な処理ができる」と語ったという。

両首脳はトランプ米次期大統領に関し「TPPを含むアジアの経済がもたらす利益について理解を得ることが重要だ」との認識で一致。日中韓やインド、東南アジア諸国連合(ASEAN)などが参加する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の妥結に向けて連携を強化することも申し合わせた。

トランプ新政権のアジア政策は不透明な面が多く、南シナ海をめぐり中国と領有権を争う周辺国にとっては懸念材料だ。フック氏は南シナ海問題に関し「国際法にのっとり、外交手段や法的手段を尊重する重要性で一致した」と強調。安倍首相は「アジア太平洋地域の平和と安定には米国のプレゼンスが不可欠だ」と述べ、地域の安定に向けて米国の積極的な関与を求めた。

インフラ整備では、安倍首相が円借款約1200億円の新規供与を表明。下水道整備や干ばつ塩害対策になる水管理システムなどに充てるほか、今回供与する巡視船にも385億円を充てる。

ベトナム政府は昨年11月、日本が受注予定の原子力発電所建設を財政難や環境問題を理由に中止を決定し、日本はインフラ輸出戦略の見直しを迫られた経緯がある。安倍首相は原発に代わって高効率で温暖化ガス排出を抑える石炭火力や液化天然ガス(LNG)などの導入で技術協力する考えを伝えた。

ベトナムを南北に結ぶ高速鉄道計画は建設費が高額だとして停滞しているが会談では同プロジェクトで「緊密に協力」(フック氏)する方針を確認。南部ホーチミン郊外で空港の建設運営や鉄道始発駅の地下街開発などで日本企業が協力することを申し合わせた。

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