2019年2月19日(火)

郵政上場5カ月、仕切り直し 長門新社長は西室路線継承

2016/3/16 21:38
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昨年11月にグループ3社の株式を上場した日本郵政が異例のトップ交代を迫られた。健康上の理由で入院中の西室泰三社長(80)は復帰が難しく、4月1日に傘下のゆうちょ銀行から長門正貢社長(67)が後任に就く。16日の記者会見で長門氏は「中期経営計画は変えない」と西室路線の継承を強調したが、上場後わずか5カ月で経営体制は仕切り直しになった。

「病気がすぐに回復する状況ではなく、3月3日に辞任届が提出された」。社長代行の鈴木康雄上級副社長(65)は、来年6月までが既定路線とされていた西室社長の交代劇をこう説明した。指名委員会を中心に人選し、グループ中核の金融事業に明るく、国際経験が豊富な長門氏を選んだという。

西室氏の最大の功績は、日本郵政とゆうちょ銀、かんぽ生命保険の3社同時上場をなし遂げたことだ。2013年6月の就任以来、株式上場を目標に豪物流大手トール・ホールディングスの買収や経営計画の策定などでグループ経営の方向性を示してきた。

「トータル生活サポート企業として地域に貢献するのが使命」。記者会見で長門氏は、高齢者向け見守りサービスなどに力を注いだ西室氏が好んで用いた言葉を引用した。

長門氏は旧日本興業銀行(現みずほ銀行)の出身で、富士重工業副社長、シティバンク銀行会長を歴任。マイナス金利導入後に総額約300兆円のグループ資産をどう運用するかという課題に直面したグループ経営に適任という判断から選ばれた。一方で赤字体質からの立て直しが急務な郵便・物流事業は未経験だ。

郵政グループでの経営経験が1年に満たないのも不安材料だ。この日は「組合、役所、政治家などと誠実なコミュニケーションを取りたい」と述べ、グループ特有の様々な利害関係者への配慮をにじませた。

政府は日本郵政グループの株式を売却し、22年度までに4兆円を東日本大震災からの復興資金に充てる。長門郵政は経営改革と並行して追加の株式売り出しを模索する。追加売り出しはゆうちょ銀とかんぽ生命の金融2社株が中心とみられ、まずはゆうちょ銀の後任社長選びが最初の関門となりそうだ。

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