2019年7月23日(火)

景気回復シナリオ誤算 7~9月GDP、2期連続マイナス

2015/11/16 10:55
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内閣府が16日発表した7~9月期の国内総生産(GDP)は2期連続マイナス成長となり、日本経済の足踏みが長引いていることを示した。けん引役と期待された設備投資が計画倒れに終わり、個人消費や輸出の回復は力強さを欠いた。10~12月以降は緩やかな回復に向かうとの見方もあるが、景気の先行きには懸念材料が目立つ。

政府も民間エコノミストも4~6月期の落ち込みは一時的で、7~9月期はプラス成長に戻り、景気は緩やかに回復するとみていた。シナリオが狂ったのは中国やアジア経済の減速の度合いが想像以上で、企業が設備投資を先送りする動きが広がったことが大きい。

日銀の9月の全国企業短期経済観測調査(日銀短観)によると、2015年度の大企業・全産業の設備投資計画は14年度比10.9%増と、6月調査(9.3%増)から上方修正された。企業収益は過去最高水準にあり、設備投資計画は依然強気だ。しかしGDPの設備投資は4~6月期の前期比1.2%減に続き7~9月期も1.3%減と2期連続のマイナスとなった。

GDPの6割を占める個人消費は前期比0.5%増と、食料品などの値上げが相次いだ4~6月期(0.6%減)からの戻りは弱かった。GDPの実質雇用者報酬は前年同期比1.6%増と伸びているが、パートの増加が全体の報酬を押し上げている面がある。賃上げやボーナス増の広がりは乏しく、1人あたりの実質賃金は7~9月期で前年同期比0.3%増にとどまっている。

品目別でみても夏の猛暑効果や9月の大型連休で増えた消費が多い。円安の進行や天候不順で食料品の価格上昇が止まらず、家計には節約志向が広がった。「価格変動に敏感な女性が婦人服の購入を控えている」(内閣府幹部)

輸出から輸入を差し引いた外需は0.1%増となった。原油安などの影響で輸入の伸びが小さかったことが下支えしており、輸出の回復ペースは鈍い。輸出の数量を示す指数は米国、欧州、中国、アジアともに前期から落ち込んでおり、基調は強くない。

今回のGDPがマイナスになった要因として、民間在庫が0.5%押し下げたことが大きい。在庫調整が進むと、GDP上はマイナス方向に働く。内閣府は在庫を除けば前期比年率1.4%増となり、0.8%減という数字ほど実態は悪くないと分析している。

内閣府は景気は緩やかな回復に向かい、個人消費が持ち直し、設備投資が増加するとみている。ただ、海外経済の下振れリスクやパリの同時テロの余波など不透明感は残っている。

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