経済産業省の有識者委員会は15日、企業の営業秘密を守るための制度改正について了承した。今後は実際に秘密を盗んだケースだけでなく、盗もうとする「未遂」も刑事罰の対象とする。秘密を盗まれた企業が告訴しなくても刑事訴訟にできる「非親告罪」とするほか、罰金の上限も引き上げて抑止力を狙う。民事訴訟でも被害者側の権利を拡大する。
26日召集の通常国会に、営業秘密の保護を定めた不正競争防止法の改正案を出す。刑事訴訟ではこれまで、実際に生産技術などを盗んだことが明らかにならないと事件として扱えなかった。ただ、サイバー攻撃によって石油化学工場やインフラ設備の運用情報などを盗もうとする例もあり、放置すると重大な事故につながりかねない。法改正で未遂の段階でも処罰し、犯罪の意欲をそぐ狙いがある。
民事訴訟では一定の条件をみたせば、原告ではなく被告が立証責任を負うことになる。いまは被害を受けた原告が「この技術を相手企業が盗んで不正利用している」と証明しなければならず、ハードルが高い。法改正後は被告が製造工程でどんな技術をつかっているか証拠を出し、裁判をすすめることになる。