確定拠出年金、元本確保商品の提供義務に廃止案 厚労省

2014/12/15 22:09
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厚生労働省は15日の企業年金部会で、運用成績によって受け取る年金額が変わる確定拠出年金で、企業が預貯金などの元本確保商品を提供する義務を無くす案を示した。株式や外国証券といったリスク性資産での運用を促して、利回りを上げる。将来に十分な年金を確保する狙いというが、労使はリスクを取ることに慎重だ。

今の確定拠出年金法は、企業が3つ以上の運用商品を用意して、最低1つは元本確保商品とすることを義務付けている。全てが元本確保商品でも構わない。7兆円超の確定拠出年金の資産のうち、6割が元本確保商品で、加入者の45%は利回りが0~1%以下だ。

これから物価が継続して上がるようになれば、「実質的な資産が目減りする可能性がある」(厚労省)として、株式や債券への投資を促す。元本確保商品を用意しなくてもいいようにする一方で、国内外の株式や債券に投資するようなリスク性商品を提供するよう義務付ける。

また商品の選択を怠った加入者の掛け金を運用する「デフォルト商品」も見直す。これまでは多くの企業が、デフォルト商品に元本確保商品を設定していたが、株式や債券などに分散投資する商品を指定することを「努力義務」とする。

ただリスク投資の促進に対しては、経団連の代表委員は「運用損失が出たら、経営側が訴えられるリスクがある」と述べ、労使双方から慎重論が出ている。

厚労省は確定拠出年金の改革として、専業主婦や公務員の加入を認めるほか、年金制度が異なる企業に転職するときも年金資産を持ち運べるようにすることを検討している。年内にも取りまとめて、来年の通常国会で法改正を目指す。公的年金の支給が減るなかで、上乗せする私的年金の充実を急ぐ。

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